- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県日南市
- 広報紙名 : 好きです にちなん 2025年9月号
「SOS見守り声かけネットワーク」は、認知症などで行方不明になる恐れのある高齢者などを、地域ぐるみで速やかに発見・保護するためのネットワークです。警察、行政、協力事業所、地域住民などが連携し、日頃の見守り活動や、行方不明者発生時の情報共有・捜査協力を行うことで、早期発見・保護を目指します。
■認知症に係る行方不明者の状況
2024年警察庁の調査によると、令和6年の行方不明者数は、全国で82,563人、そのうち認知症の行方不明者は、18,121人(前年比918人減少)であり、このうち491人が遺体で見つかったことが分かりました。
図.認知症に係る行方不明者数の推移

■所在確認などの期間
令和6年中に所在確認などができた認知症の行方不明者(確認をした年次以前に受理した届出分を含む)のうち、届出受理から所在確認までの期間は、受理当日が最も多く12,476人、次いで2日~3日以内の4,156人でした(死亡確認、その他を除く)。
図、表、および数値の根拠となる資料:「令和6年における行方不明者届受理等の状況」
(令和7年6月 警察庁生活安全局人身安全・少年課)より

■行方不明者本人の言葉(見つかった時)
・うちが分からなくなった。
・道に迷ってしまった。
・デパートに買い物に来た。帰り道が分からなくなった。
・散歩しているうちに帰る道が分からなくなった。家まで送ってほしい。
・夫の命日で花を取りに山に行った。
・野菜を取りに来た。(墓地で見つかった)
参考:NPO法人シルバー総合研究所ホームページ「高齢者の見守り・SOSネットワークを築こう」
認知症の方は、ただ意味もなく歩き回っているのではなく、これまでの生活習慣から散歩に出掛ける、昔生活していた家に帰ろうとする、家族に怒られて今いる場所から逃れたいという衝動で出て行くなど本人なりの理由や原因があります。
■周りの対応の遅れが命取りに
認知機能が低下した方は、状況を把握して正しく判断することが難しくなるため、道路への飛び出しや自動車専用道路への侵入など交通事故に遭うリスクが高まります。また、自転車などを利用する方は、交通事故で加害者になるリスクもあります。他にも、歩いているうちに転倒や転落してケガをする、熱中症や低体温などの体調不良を起こすといったトラブルも考えられます。
そこで、日南市ではこのような出来事を未然に防ぎ、認知症の方やその家族を地域で支えるためのネットワークを築いています。
■認知症高齢者等SOS見守り声かけネットワークとは?
認知症高齢者などが行方不明になったとき、警察や消防だけでなく地域の関係機関・事業所が協力して、速やかに行方不明者を発見し保護する仕組みです。ネットワークを利用するには登録が必要です。最寄りの地域包括支援センター、または長寿課にお問い合わせください。
■事前登録による見守りネットワーク

認知症により行方不明になる恐れのある方の身体的特徴や連絡先、写真などを事前に登録しておく制度です。登録対象者が行方不明や保護された場合に、登録した情報を頼りに早期発見や身元確認につなげます。
◇事前登録のメリット
(1)事前に登録した情報を整理し、関係者間(長寿課、警察署、消防署、地域包括支援センター)で共有しておくことで、日頃からの見守りにつながります。
(2)行方不明になった場合、依頼を受けて各関係機関や地域の協力者に情報発信し、スムーズに発見活動を開始できます。
事前登録された方には、読み取ると連絡先(長寿課、警察署)が表示される「二次元コード」を交付します。
(個人情報は表示されません)
■行方不明時の見守り声かけネットワーク

行方不明者が発生した場合、まずは警察へ捜索願を提出します。その後、家族などが希望される場合は、ネットワーク登録団体へメールやファックスで行方不明者情報を共有し、目撃情報や心当たりの情報を警察署へ提供いただき早期発見や身元確認につなげます。
ネットワークは、認知症サポーター養成講座※を受講された事業所・団体などで活動に賛同いただいた関係機関により構築しています。
※認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人や家族に対して温かく見守る認知症サポーターを養成する講座です。
「日南市認知症高齢者等SOS見守り声かけネットワーク事業」については、日南市ホームページをご覧ください。
問い合わせ:長寿課
【電話】31‒1162
