健康 住み慣れた地域でいきいきと(3)

■運動 体を動かしましょう!
積極的に体を動かすことで、筋力を維持・向上できます。高齢期の身体活動の目安は、1日40分以上の活動と週2~3回の筋力トレーニングです。

▼自宅でできる運動
紹介するのは、日本レクリエーション協会日本レクリエーションインストラクター田原芳子さんです。

▽指と腕の筋力体操
腕を伸ばして指を動かすことで、指と前腕を鍛える運動です。
回数の目安:20回1セット
(1)手のひらはパーの状態で腕をしっかりと伸ばす
(2)親指と小指の腹をつける
(3)(1)の状態に戻す

▽スクワット
下半身の筋肉を効果的にバランスよく鍛える運動です。
※足腰が弱い人は、写真のように椅子を使って行いましょう。
回数の目安:10回1セット、1日2~3セット
(1)両足を肩幅に広げ、真っすぐに立つ
(2)膝がつま先より前に出ないようにゆっくりと腰を落とし、元の姿勢に戻る

▽上半身の運動
タオルを使って、上体ひねりをします。
回数の目安:2回1セット、1日3セット
(1)椅子に腰かけ、タオルを両手で持ち、腕を正面に真っすぐ突き出して4秒数える
(2)勢いをつけずにゆっくりと上体を真横にひねり、4秒数えて元の位置に戻る

▽内転筋・骨盤底筋のトレーニング
内ももと骨盤まわりの筋肉を鍛える運動です。
回数の目安:10回1セット
(1)足を5cm程度広げる
(2)手を重ねて膝で挟む
(3)息を吸って、息を吐きながら、手を押しつぶすように内側に力を込める
(4)5秒間行ったら緩める
※お尻の穴も締めるように行いましょう。

▽注意点
・病気や痛みなどがある場合は、事前にかかりつけ医に相談してください。
・各運動方法の回数は、通常の回数です。体調に合わせて調整しましょう。
・息を止めないように、1・2・3・4…と声を出しながら行いましょう。

▼フレイル予防の3つの柱を補う「百歳体操」
市の取り組みとして、自治公民館等で行われている「はつらつ百歳体操」があります。百歳体操は、「筋力低下予防・筋力アップ」、「心の健康」、「社会参加」など、フレイル予防にさまざまな効果が期待できます。また、百歳体操の実施に併せて、口腔体操や脳いきいき活動なども行っています。

▽百歳体操を続けると医療費負担が減少
75歳以上の後期高齢者医療保険加入者(要介護3以上を除く)の年間医療費を抽出し、百歳体操参加者と未参加者に分けて医療費を比較しました。その結果、百歳体操に参加していない人が年間80万6602円かかっているのに対して、1カ月に3回以上参加している人は年間59万274円となり、年間医療費が約20万円安くなることが分かりました。

▽高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施
これまで、生活習慣病対策・フレイル対策としての高齢者保健事業(健康部門)と高齢者の介護予防(介護部門)が制度ごとにそれぞれ実施されていましたが、これらの事業を一体的に実施する「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業」が令和2年度から開始され、順次全国全ての市町村で実施されています。市では、令和5年度から取り組みを開始しています。
いつまでも住み慣れた地域で、「健幸」に暮らし続けるために、健康部門と介護部門で連携・協力しながら、高齢者の健康づくり・介護予防を支援します。

▼えびの市の取り組み
(1)高齢者に対する個別的支援
生活習慣病になる危険性が高い人やフレイルの危険性が高い人などに対して個別の訪問を実施

(2)通いの場等への積極的な関与
高齢者が集まる場所に出向き、健康相談や健康講話、握力・口腔機能測定などを実施

令和5年度から令和7年度にかけて市内各地区の百歳体操の会場を回っています。今後、高齢者が集まる場所で同様の取り組みを行っていきます。興味のある団体などは、市健康保険課市民健康係にお問い合わせください。