くらし メタバース?仮想空間? ネオ日置の今を紹介します!

令和5年3月、全国の人々と気軽につながるため、インターネット上の拠り所を作ろうと仮想空間メタバースを活用した「ネオ日置」を建設し、これまで3万人を超えるかたがたにお越しいただき、その中から移住者も生まれるなど、日置市の魅力を知るきっかけづくりに貢献していると考えます。今回は、現在のネオ日置の取り組みを紹介します。

■ネオ日置の今後の活用は?
メタバースという用語は「超越(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語で、インターネットの中に構築された「3次元の仮想空間」を指します。現在は、技術の進歩に伴い、メタバースで出来ることが広がっています。令和6年の12月、ネオ日置の事務局を担うLR(株)・XR Meetup  Kagoshimaと市担当者にて今後について話し合い、次の2つに力を入れて進めることとしました。
(1)ネオ日置を活用し、市の課題解決を図る
(2)集まりの場(ミニイベント)を定期開催し、メタバースに関わる人材とのつながりづくりと育成を図る

■(1)課題解決と魅力発信
今回、市の課題として注目したものが伝統芸能。歴史的な観光資源が多い日置市にとって、太鼓踊りなどの伝統芸能はその魅力の代表例といっても過言ではありません。しかし人口減少による後継者不足で休止する太鼓踊りが増加。この課題を解決するため、ネオ日置を活用した、「太鼓踊りの魅力発信」「疑似体験」「保存」を行う「シン伝統文化継承事業」を立ち上げました。
今回再現する踊りは、県指定の無形民俗文化財である「伊作太鼓踊」「大田太鼓踊り」「徳重大バラ太鼓踊り」の3つです。再現に当たっては、「モーションキャプチャ」という技術を活用。人の動きを記録し、メタバース内に設置する踊り子の人形にその動きを再現させるものです。メタバース内では踊り子を360度さまざまな角度から観察することができるほか、自身の分身(アバター)で実際に太鼓を叩きながら、一緒に踊る「疑似体験」も可能です。踊り習得は見よう見まねが基本。疑似体験を通して、未来の後継者が生まれるのでは?と期待が膨らみます。
多くの技術を駆使する本サービスは、データ量が多いことから
・高速インターネット環境
・利用端末は高性能なもの
と限定され、事前にアプリ(VRChat)のインストールが必要となります。

■(2)集まりの場づくり
メタバースの醍醐味は、現実世界と同じような距離感でありながら「匿名性」を守りつつ、アバターの「オリジナリティ(独自性)」を追及した「交流」が可能であること。このような交流の機会を定期的に開催し、日置ファンを増やすための担い手として、ひおきカメカメ団デジタル隊長(地域おこし協力隊)に森山美里さんが着任しました。(本紙9ページ参照)

■流れが速いこの業界
これまで、ネオ日置で採用していたサービス「DOOR」が令和7年3月末で終了(今年度末まで使用可)。次期サービスへ移行を進めるため、クラウドファンディング(寄付)を実施し、現在、再構築を進めています。
今回、採用するサービスは、「VRChat」と「cluster」。これまでと違い事前にアプリを登録する必要があります。

■VRChatの特徴
当サービスは、アメリカの「VRChat社」が提供するもので、世界中で利用者が多いサービスです。人気の理由は空間の自由度にあり、空間内にゲーム的な仕掛けも設置できます。アバターの自由度も高く、自身でアバターを作れる利用者(以下ユーザー)の方が多いのも特徴です。

■clusterの特徴
当サービスは、国産のプラットフォームで、国内最大のユーザー数を誇ります。ユーザーの8割はスマートフォンで利用しており、「身近なメタバース」が特徴のサービスです。日本語説明による安心感もあり、空間内での交流を楽しむためのアイテムも充実しています。

■多くの人でネオ日置を再構築
両サービスにネオ日置の再構築を進めます。今回の再構築で注目すべき点は、多くの方の力を借りて進めるということ。そのため、現在、「ネオ日置ワールド制作コンテスト」を開催しています(締め切りは12月21日)。今回のコンテストに参加するための講習会も12月14日開催を予定しています。また、太鼓踊りワールドの公開を予定している令和8年1月には、コンテストへの出展ワールドも多く公開される予定です。これに合わせ、「ネオ日置フォト・ムービーコンテスト」も開催しますので、詳細は、「ネオ日置特設サイト」をご確認ください。
※詳しくは本紙をご覧ください。