くらし 【特集】和食の魅力、再発見(3)

■食育のプロに聞く
県食育アドバイザー
外山澄子さん(77)
長年、栄養教諭として地元食材にこだわった給食に取り組み、退職後は県食育アドバイザーとして、食育の普及啓発などの活動を続けている外山澄子さん(77)。和食文化の特徴には、『健康的な食生活を支える栄養バランス』も挙げられています。そこで食育の観点から、和食の魅力について外山さんに聞きました。

▽食育に見る和食の良さ
「ご飯はどんなおかずとも相性が良く、多様な食材を使った数多くの料理に合わせることができます。一汁三菜というご飯と汁物と副菜二つの組み合わせは、栄養バランスを整えやすい和食の形式です」と、外山さんは和食の良さについて話します。
1980年頃の日本の食事は、(※)PFCバランスが理想的な数値でした(グラフ1・2)。しかし、近年は食生活の欧米化による肉類や油脂の取りすぎで、生活習慣病が問題化しています。「毎日の食卓に一汁三菜という基本的な形の和食に『多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重』が挙げられています。「食材を仕入れる時は必ず自分の手で取り、新鮮さや見た目、香りなどを確認しています。食材の鮮度や脂の乗り、水分量、色などの状態によって、生、焼く、煮る、蒸すなどの調理法を選ぶのも、食材の個性を引き出すために大切でを作り食べることで、栄養バランスが改善されます。できれば誰かと一緒だと、人と人とがつながり心身ともに健康的な生活を送ることができますよ」と外山さんは提案します。

▽世界に誇る和食文化
「ミネラル分の少ない日本の軟水は口当たりが柔らかくまろやかなので、蒸す、ゆでる、煮るなど水を使って食材の味を生かす調理法す。例えば、脂が乗った魚は香りを引き出すために軽く焦げ目を付けたり、炭火やわらなどでさらに香りを付けたりします」と洋一さんは話します。他にも洋一さんのこだわりの一つが、和食ならではの麹こうじです。玉ネギ麹やトマト麹など数種類の自家製の麹を使っています。「麹を使うと、食材に含まれるうま味成分がぐっと引き出されます。さらに、だし汁と組み合わせることで優しい味と深みが自然に出る。調味料が発達してきました。和食の根幹を支えるだしもその一つ。軟水だからこそ昆布やかつお節などから、うま味をうまく引き出すことができます」。だしには、日本人が発見した5味の一つ「うま味」が含まれます。「うま味は、海外でも『UMAMI』と呼ばれ、注目が高まっています。だしや発酵調味料によるうま味を上手に使うことで、肉類などの動物性油脂がなくても満足感を得られる食事ができますよ」と外山さんは目を輝かせます。
「和食は昔から海外の食材など、良い部分を受け入れて進化してきました。代表的な和食の一つであに頼り過ぎなくても、食材そのものの味を最大限に生かすことができますよ」と洋一さんは目を細めます。自然の美しさや四季の移ろいを味わう「料理はもちろん、器も季節を映す大切な舞台と考えており、季節の器を決めてから献立を組み立てることが多いです。それほど四季の演出を大切にしていて、器だけで季節感が足りないときは、食用の花や野菜の飾り切りなどを添えています」と、あけみさんは力を込めます。『自然の美しさや季節の移ろいの表現』も同文化遺産で評価された和食の特徴の一つです。洋一さんが手掛ける料理とあけみさんの細やかな心配りの調和が、訪れる人を和食の世界へといざないます。る天ぷらも、ヨーロッパから伝わったものが起源だという説があります。海外の人からも人気があるラーメンやカレーライスなども、いずれは誰もが『和食』と考えるようになるのかもしれませんね」

▽おうちで和食(農林水産省パンフレット)本紙P40を基に作成

■四季や文化、歴史など、日本の良さを凝縮した作品のような和食。今や海外からも注目され、世界の食文化に影響を与えています。あなたも和食の魅力に、改めて目を向けてみませんか。

(※)三大栄養素であるたんぱく質・脂質・炭水化物の摂取比率を指す指標。

※健康的なレシピなど、すこやか保健センターから情報を発信しています。市すこやか保健センターインスタグラムはこちら(本紙PDF版7ページ参照)

[INTERVIEW]だしを取って料理を楽しんでいます
外山さんが講師の公民館講座「わくわくクッキング」の参加者
今村秀子さん
以前は顆粒だしを使っていましたが、意外と簡単にだしが取れることを知り、今では煮干しや昆布、かつお節などからだしを取って料理を楽しんでいます。煮干しでだしを取ってみそ汁を作るときは、具材と一緒に煮込むだけ。とても簡単ですし、やわらかくて角がない味でおいしいですよ。取っただし殻はつくだ煮にして食べると、おかずにもお酒のつまみにもなります。ぜひ皆さんもだしを取ってみては。