- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県伊佐市
- 広報紙名 : 広報いさ 2025年11月15日号
◆「意思決定支援」について知っていますか?
挑戦したいことがあるけど家族や周りの人の心配や不安から、本人の希望を思うように叶えられないといった状況に出会ったことはないでしょうか?
「意思決定支援」とは、自分の考えや思いを伝えるのが困難な人に対して、その人の人権が守られるように支援することです。
本人を取り巻く環境によっては、支援者の価値観もそれぞれに違うため、時には支援者や家族の思い・考えが強くなり本人の意思が見えづらくなることがあります。
例えば、仕事を決めるとき、住む場所を決めるとき、趣味などやりたいことを伝えるときなど、日常の選択を迫られる場に立たされたときです。
支援者や家族が「代わりに決める」のではなく「本人の希望を引きだして一緒に考えていく」ことが重要です。そのためにも本人の環境調整や選択肢となる情報を共有することで本人の価値観となる大事な考えを知り、整理する必要があります。本人のことを信じて思いを尊重する気持ちが大切です。
◇意思決定支援のポイント
・たくさんの歯車をかみあわせる
本人には「意思」があり、決める力があるという前提に立ち、本人との関わりのなかでその意思を尊重して支えていきます。
・信頼関係の構築
本人のこと(好き、嫌い、大切に思うこと、得意、苦手なこと等)、特性、適切なコミュニケーションの取り方をよく知ることが大切です。そのためには信頼できる関係づくりが重要になります。
・人的・物的環境の整備
周りの人の態度や関係性、物理的環境や時間帯によっても、意思決定は影響を受けます。
意思を尊重し、本人が安心できるような態度、本人との間の信頼関係が必要となります。否定しないで聞く、という姿勢が大切です。
また、なるべく本人が慣れた場所で、いちばん力を発揮できる時間帯で意思決定支援を行うことが望まれます。
・意思形成支援
意思を決定するためには、その内容についての適切な情報が必要となります。考えを邪魔したり、誘導するような働きかけがあると決めることが難しくなります。
適切な情報、環境、認識のもとで、意思が形成されることを支援することが大切です。
・意思表明支援
「早く決めて!」「前に決めたことと違う!」など、支援者が決断を迫る態度で接したり、本人の以前の発言の責任を問う態度で接すると心からの希望を表現・表明しにくくなってしまいます。
形成された意思を適切に表明・表出できるよう支援しましょう。
・意思実現支援
「あなたには無理じゃない?」などと、本人の意思が無視されたり否定されたりすることが続くと、意思形成、意思表明の意欲は弱まります。
意思実現のプロセスにおいても、本人がその能力を最大限に活かせるよう支援することが本人の力や経験の豊かさにもつながります。
厚生労働省『意思決定支援の基本的考え方~だれもが「私の人生の主人公は、私」~』(一部抜粋)
問い合わせ:伊佐市基幹相談支援センター(伊佐市役所福祉課内)
【電話】23-1317
