文化 首里高生が行く!!

■首里巡検~民話と詩(うた)編

◇金城町大アカギ
内金城嶽(ウチカナグスクタキ)境内には樹齢200年以上と思われるアカギが5本自生しており、国の天然記念物に指定されています。沖縄戦での焼失により、大木群として見られるのは、内金城嶽境内だけです。
内金城御嶽は、旧暦12月8日に備えるウニムーチー(鬼餅)の由来となった場所で、首里に出没する人食い鬼の兄を、妹が瓦の入った餅で退治したという伝説が残っています。
〔首里金城町3丁目〕
※葉っぱの色や枝ぶりなどから大アカギの樹勢を診断しながら、土壌に肥料を追加するなど樹勢の回復業務を行っています。

◇佐藤惣之助詩碑(さとうそうのすけしひ)
佐藤惣之助は神奈川県川崎市出身の詩人・作詞家で、沖縄の詩人育成などに貢献しました。赤瓦を織り込んだヒンプン型台座の詩碑には、惣之助が1922年に著した『琉球諸島風物詩集』の中の「宵夏(よしなつ)」の一節「しづかさよ 空しさよ この首里の都の宵のいろを 誰に見せやう 眺めさせやう」が刻まれ、首里から眺める景色の美しさが描かれています。
〔首里金城町1丁目〕
※この詩碑は、焦土となった沖縄にと川崎市の人々から贈られたもので移設を2回経験しています。

当時の人々の思いや技術、生活を推察する縁(よすが)となるよう、市では文化財の維持管理を行っています。

■高校生’s eye
初めて行った大アカギには、子供の頃に遊んでいたような懐かしさと、自然の神秘的な雰囲気が感じられました。多くのアカギを戦争で失ってしまったからこそ、沖縄の人々の暮らし・願い・思いと共に約200年もの年月を生き、首里の街を見守ってきた大アカギをより一層大事にしたいと思いました。そして、身近に文化財や自然がある中で暮らしている私たちが、故郷の歴史や文化に触れ、故郷を愛する心と、歴史や文化を後世に引き継げる知識を持ちたいと強く思いました。
佐藤惣之助詩碑について今回の首里巡検で見に行くまで、その存在を知りませんでした。意識して見ないと、目の前にあったとしても人は目を向けず認識しないのですね。碑に刻まれた詩からは、当時の首里に対する熱い想いを感じることができました。今私たちは県内外の人々が繋いでくれた文化の上で生きています。沖縄の文化を、私たちが大切に守り繋いでいきたいです。
担当:首里高等学校/上原千和、喜納梨々香、知念杏祈、比嘉千晴