くらし 地域を見守り、地域の頼れる存在 民生委員・児童委員

誰もが安心して生活できる地域づくりのため、民生委員・児童委員は地域を見守り日々活動しています。地域住民の困りごとの内容に応じて、専門機関へのつなぎ役として重要な役割を果たしています。

■民生委員と主任児童委員
民生委員は、地域住民の福祉向上のため、民生委員法に基づき、厚生労働大臣が委嘱する特別職(非常勤)の地方公務員です。ボランティアとして活動するため、給与・報酬は支給されませんが、交通費や通信費、研修参加費など、活動に必要な経費は定額で支給されます。
全ての民生委員は、児童福祉法による児童委員も兼ねています。中でも児童福祉部門を専門に担当する人を「主任児童委員」といいます。市内の民生委員の定数は256人で、1人あたりおおむね120〜280世帯を担当しています。
また、主任児童委員の定数は24人で、民生委員の中から任命されます。
民生委員の任期は3年間で、再任もできます。現委員の任期は令和7年11月までで、12月に一斉改選となり、任期は令和7年12月から令和10年11月までになります。

■民生委員・児童委員の主な活動
▽調査活動
住民からの相談に適切な対応ができる態勢づくりのほか、福祉サービスを必要とする人の発見など、担当地区の実情把握に努めます。
市では、毎年6月頃に70歳以上を対象とした「高齢者実態調査」を実施しています。

▽相談活動
住民の抱えるさまざまな問題を、相手の立場に立って相談に応じます。

▽情報提供活動
相談者や援助を必要とする人に、利用できる福祉制度やサービスなどの情報を提供します。

▽連絡・通報・調整活動
個々のニーズに沿った福祉サービスが受けられるよう、関係行政機関や福祉施設、福祉団体などに連絡し、必要な対応を促すつなぎ役を務めます。

▽生活支援活動
支援を必要とする人に、生活支援活動を行うとともに、ボランティアグループなどと連携し、地域での支援体制づくりに努めます。

▽意見具申(ぐしん)活動
日々の活動で得た問題点や改善策は、必要に応じて民生委員児童委員協議会を通じ、関係機関に意見提起します。

■主任児童委員の主な活動
▽児童福祉関係機関・施設などとの連絡
保護指導の必要な児童の発見と、発見後の児童相談所への連絡などを行います。

▽区域担当児童委員への援助活動
当該区域内の児童委員が行う活動への援助や協力などを行います。

▽要援護児童・家庭への援助
虐待されている、あるいは虐待が疑われる児童の発見や実情を把握し、福祉施策の紹介やあっせんなどを行います。

【民生委員・児童委員一斉改選に伴う候補者を募集します】
《選任までの流れ》
▽地区民生委員児童委員協議会と町内会・自治会からの推薦
 ↓
▽室蘭市民生委員推薦会※が道知事に推薦
 ↓
▽道が設置する社会福祉審議会の意見を踏まえ、厚生労働大臣に推薦
 ↓
▽厚生労働大臣が候補者を民生委員として委嘱

※室蘭市民生委員推薦会…市に設置される委員会で、町内会長、民生委員、社会福祉事業関係者、社会福祉関係団体の代表者、教育関係者、関係行政機関の職員、学識経験者の7分野による委員で構成されています。

■室蘭市民生委員児童委員協議会
会長 髙橋 國夫さん
民生委員に皆さんは、どんなイメージを持っているでしょうか?昭和世代の人は”生活保護”という言葉が最初に思い浮かぶかもしれません。しかし、実際は私たち民生委員が関与して生活保護の受給に繋がるケースはそんなに多くはありません。
現在の超高齢社会の地域包括ケアシステムは、自助・共助・公助・互助の全てが機能しないと安心安全な社会の実現は難しいと考えます。私たち民生委員は、このすべてに関与していると自負しています。
皆さんは普段の生活の中で、車椅子の人が雪に埋まって動けなくなっている姿を見かけたらどうしますか?自然に手を貸してあげませんか?私たち民生委員のスタンスもそういう事だと思っています。
特別なことではありません。誰かが手を貸すだろうと考えて素通りすることはできません。したがって、ほとんどの人が民生委員になる素養があると言うことです。
市内には、12地区の民生委員協議会があります。定数は256人(民生委員232人、主任児童委員24人)ですが、令和6年12月末現在20人(民生委員18人、主任児童委員2人)の欠員状態です。12月には3年任期の改選期を迎えます。このまま欠員状態が続くと市内の高齢者施策の実施に支障が出る可能性がありますし、前述の地域包括ケアシステムが機能しなくなることが危惧されます。
どうか愛する室蘭を「住みよい町」「室蘭市民でよかった」と思える町にするために私たちと一緒に汗を流してみませんか。