- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道歌志内市
- 広報紙名 : 広報うたしない 令和7年2月号
私にとっては本当に久しぶりの体験である雪に覆われた北海道。
あるときはキラキラと美しく、あるときは前後左右もわからなくなるほど激しく吹きつけて生命の危険さえ感じる存在でもあります。
夕暮れどきのオレンジ色に染まる雪や、川面を映す青く光る雪、考えてみれば歌志内の冬はけっして白1色ではなく、様々な彩りを見せてくれる季節でもあるのだと発見しました。
子どものころ、宮沢賢治の「雪わたり」(宮沢賢治・著 堀内誠一・絵 福音館書店刊)という絵本が大好きでした。かたく締まった雪を「きっくきっく、とんとん」と踏みしめながら、新雪のふかふかの雪のときには入れない森の奥まで入って行く子どもたちのおはなし。私もいつか、踏みしめれば「キュッキュッと音がするような雪があるところに行ってみたいな」と、ずっと思っていました。
そのせいで、大人になった今も私は、かたく締まった雪を踏みしめて歩くときに思わず「きっくきっく、とんとん」と言ってしまいます。
まだまだ全てが雪に覆われていますが、毎日少しずつ日が長くなって、確かに春に向かっている。そんなことが無性にうれしい季節です。
〔地域おこし協力隊 石井(葉)〕