文化 「炭鉄港」って、なに? その10

■炭鉄港エリア復刻駅スタンプラリー
蒸気機関車が煙をモクモクと吐きながら走る姿、歌志内に生まれ育ったかたがたにとっては、当たり前の風景。記憶に残っていらっしゃる方も多いことでしょう。
炭鉱業は「運輸業とつながりが深い」といわれるとおり、掘り出した石炭を、室蘭の鉄鋼所や小樽の港まで運んだのは、できたばかりの線路を走る蒸気機関車でした。
最初はアメリカから輸入された「アイアンホース」(鉄の馬)という愛称がついた小型の機関車(これは小樽市総合博物館で動態展示されています)が走り、未だ製鉄所すらなかった明治初期の日本では線路もアメリカやイギリス、ドイツなどから輸入していました。そのレールを再利用したバックネットの骨組みが今も歌志内小学校跡グランドに残っています。
戦中戦後、日本の貨物輸送を支えたD51(デゴイチ)が走る姿は本当に力強く、一両で600トンもの石炭を輸送したというのですから、びっくりですね。
その蒸気機関車が1975年12月に営業運転を終えて、今年で50年。当時使われていた駅スタンプを復刻し集めてまわる「さようならSL50年記念・復刻駅スタンプラリー」が始まりました。歌志内駅のスタンプには空知炭礦の立坑とズリ山がデザインされています。
9月1日から11月3日まで郷土館ゆめつむぎでスタンプノートを配布中。
ぜひ訪ねてみてください。

■旧上歌会館(悲別ロマン座)臨時開館のご案内
◇「旧上歌会館(悲別ロマン座)臨時開館」
旧上歌会館を次の日時で臨時開館しますので、ご自由にご見学ください。
日時:10月11日(土) 10:00~12:00
場所:旧上歌会館(悲別ロマン座)歌志内市字上歌1番地5

■9月のイベントの様子
◇「歌志内ブックカフェ・書かれた炭鉄港を語ろうブックトークand朗読を楽しむ」
9月7日(日)旧上歌会館(悲別ロマン座)で行われた「ブックカフェandブックトーク・書かれた炭鉄港を語ろう」では、倉本聰(くらもとそう)氏脚本の「昨日、悲別で」や、三浦綾子(みうらあやこ)「石ころのうた」常磐炭鉱の女坑夫からの聞き書き「地底の青春」そして歌志内市出身の芥川賞作家、高橋揆一郎(たかはしきいちろう)の「観音力疾走」などの作品を、ウタピリカのメンバーや市職員が朗読しました。
哲学者の大山純子(おおやまじゅんこ)先生の鋭い指摘や、読むべきポイントなどを聞きながら、後半は歌志内や、炭鉱に関する本を参加者みんなでページをめくりながらのフリートーク。
おいしいコーヒーをいただきながら、市内の方はもちろん、札幌や旭川、遠くは京都からのお客様も一緒にブックトークを楽しみました。
また、三浦綾子記念文学館から職員の方も参加いただきました。
これからもこのような「炭鉄港」と「文学」の融合したイベントをぜひ続けていきたいと思います。

問合せ:地域おこし協力隊 石井葉子(市役所2階)
【電話】42-3215