くらし 令和7年度町政執行方針(1)

■町民一人ひとりが幸せを実感しながら暮らすことができるまちづくりに全力で取り組みます
森町長 岡嶋康輔

I.はじめに
令和7年第1回森町議会3月会議にあたり、本年度の町政執行に関する基本方針と施策の一端を申し述べます。
昨年10月に行われました森町長選挙において町政2期目への負託をいただき、町民の皆様の町政に対する大きな期待と責任の重大さを実感しているところであります。今後も初心を忘れず、当町の発展のため、町長としての責務を全うする所存であります。
人口減少により地域の縮退が余儀なくされ、地方自治体を取り巻く行政課題が山積しておりますが、様々なイベントや町内会活動、各種団体の活動はほぼコロナ禍前の状況に戻ったことから、町民同士の対話の機会を増やし、町民の皆様の周りにある様々な諸課題を建設的に解決できるよう政策を進めてまいります。
私の原点は町民主役のまちづくりです。「自分のまちづくりへの思いがこの町に住み暮らす誰かのためになっている」と町民の皆様が誇りを持って参加できるまちづくりを引き続き追求し、新しい技術や制度、仕組みを柔軟に町政に取り入れ、将来に向けて発展を続ける持続可能な行政運営に取り組んでまいります。
本年度は新町森町誕生20周年を迎えます。積み重ねてきた歴史や先人たちの功績を改めて見つめ直すとともに、様々なイベント等を通じて、この節目の年を町内外の皆様と心ひとつにしてお祝いする1年にしていきたいと考えております。
本年度も「第2次森町総合開発振興計画」を基本とし、各分野の個別計画に基づいて町政を執行してまいります。
重点施策や継続事業の詳細につきましては、予算案の審議を通じてご説明いたしますが、町民並びに町議会議員の皆様には、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

II.主要施策の推進
▼保健・医療
▽保健
町民の皆様が健やかに暮らし続けられますよう、様々な保健事業を推進してまいります。
健康維持に重要となる総合健診等では、受診率向上のため各種健診の無料化を進めてきましたが、本年度より、一部のオプション検査を除き胃がん・大腸がん・骨粗しょう症・簡易脳検診を無料化し、疾病の早期発見と重症化防止に努めてまいります。
少子化対策として、全ての妊婦と子育て世帯が安心して出産・子育てができるよう、相談支援を行うとともに、妊婦のための支援給付金の支給を継続してまいります。
母子保健事業として、新たに1か月児・5歳児健診を実施します。妊娠・出産に伴う費用負担の軽減を図るため、不妊治療費、不妊治療と併用して実施した先進医療費及び交通費の一部、不育症治療費、妊産婦健診交通費、産後ケア費、新生児聴覚検査費の助成を継続してまいります。
感染症予防対策としては、帯状疱疹ワクチン予防接種費用への助成、65歳以上の方への新型コロナワクチン予防接種費用への助成を継続してまいります。
がん患者の社会参加や療養生活の質の向上を図るため、ウィッグ等購入費用の助成を実施してまいります。

▽子ども医療
こどもの疾病に対する適切な受診機会の確保、保健・福祉の向上を図るため、「子ども医療費助成制度」による高校生までの医療費無料化を継続し、子育て世代の保護者の負担軽減に努めてまいります。

▽国保病院
全国的な少子高齢化に伴う人口動態の変化によって受診患者年齢層の変動等が影響し経営が厳しい状況となっておりますが、持続可能な地域医療提供体制の確保に努めてまいります。
継続的に安定した医療を提供するためには、職員の資質の向上や医療体制を構築することが重要であることから、医師を含めた医療スタッフについて離職の防止や計画的な人員確保に努めてまいります。
また、医療情報の活用・医療機関との連携等に向け、医療DXの導入は有用かつ不可避であります。
本年度は、電子カルテシステムからオンライン資格確認システムへの連携を図るなど、医療保険事務の効率化と患者様の利便性向上に取り組んでまいります。昨年度は、町と社会福祉法人高橋病院及び国立病院機構函館医療センターの3者により、「ICTを活用した地域連携システムの構築に関する協定書」を締結し、厚生労働省における電子カルテ情報共有サービスのモデル事業にも指定されました。引き続きモデル事業を遂行するとともに、町内の医療機関や介護施設等と情報共有が可能となる地域連携システムの構築に向け取り組んでまいります。
また、猛暑対策として、患者様の熱中症を予防し、快適に受診できる環境を提供するため、冷房設備の設置に取り組んでまいります。
現在も新興感染症対策の継続が必要とされ、医療機関を取り巻く環境は依然として厳しい状況でありますが、森町国民健康保険病院経営強化プランを基に経営の効率化に取組み、地域の中核的医療機関としてその使命を果たしてまいります。