- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道上ノ国町
- 広報紙名 : 広報かみのくに 令和6年11月号(No.759)
■令和6年度 全国学力・学習状況調査の結果について
今年5月に町内の小学校6年生(27名)および中学校3年生(18名)を対象に行われた、全国学力・学習状況調査の概要をお知らせします。
今回の学力調査は小学校6年生の「国語・算数」、中学校3年生の「国語・数学」の2教科で行われました。
◆1.調査の目的について
本調査は児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることを継続することで、検証改善サイクルを確立することを目的としています。本調査の結果は児童・生徒が身につけるべき学力の特定の一部であり、教育活動の一側面であることに留意が必要です。
◆2.調査結果について
○小学校
「国語」
全体としては全国・全道の正答率と比べ、やや高い結果となっています。領域別では「読むこと」「話すこと・聞くこと」の領域が全国平均を上回っている一方で、「書くこと」の領域が低い結果となっています。
「算数」
全体としては全国・全道の正答率と比べ、同様の結果となっています。領域別では「データの活用」「図形」の領域が全国平均を上回る結果となっていますが、「速さ」の理解を問う設問については、正答率が低い傾向にありました。
○中学校
「国語」
全体としては全国・全道の正答率と比べて低い結果となっています。「知識及び技能」の内容では「情報の扱い方に関する事項」の設問で全国平均より少し高い結果となっています。「思考力・判断力・表現力等」の内容では「読むこと」「話すこと・聞くこと」の設問が全国平均と比べて低い結果となっています。問題形式別では「短答式」の問題の正答率が全国平均より高い傾向になっています。
「数学」
全体としては全国・全道の正答率と比べて低い結果となっています。領域別では「数と式」「図形」「データの活用」の部分が全国平均と比べて、低い結果となっています。中でも、筋道を立てて、考え、証明することができるかをみる設問では無回答率が高い結果となりました。
◆3.成果と課題について
○成果
小学校の正答率が全国平均と同等もしくは上回る結果となり、町内各小学校における学力向上の取組が継続して実を結んでいます。また、児童生徒質問紙調査の「自分と違う意見について考えるのは楽しいですか?」という設問に対して小学校の9割以上の児童、中学校の7割以上の生徒が肯定的な回答をしており、この結果から町内の学校で、多角的な考えを交流する対話的な学びが進んでいるものと思われます。
今回の学校質問紙調査の中で「調査対象学年の生徒同士がやりとりする場面では、生徒一人ひとりに配備されたPC・タブレットなどのICT機器をどの程度使用させていますか」という設問について町内全ての学校で「週3回以上」と回答しており、ICT機器を使って、相手に分かりやすく工夫しながら伝え合う学びが進められていることが分かりました。
○課題
今回の調査では中学校の正答率が国語、数学とも全国平均を下回る結果となりました。その要因を生徒質問紙調査から分析すると、日常の家庭学習の時間が、全国平均を下回る一方で、ゲームやSNSに費やす時間が多い実態が見られました。このような結果から、生徒自身の放課後等の家庭での生活を調整する力を家庭と学校が連携して育てていくことが今後の課題と考えます。
◆4.学力向上の取組について
これまで上ノ国町では保・小・中・高の連携をとりながら各種の取組を進めてきてますが、今回の調査では、小学校と中学校の結果に差が見られたことから、あらためて校長会議等で町内の調査結果を共有しました。その中で、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた取組の必要性を再確認したところです。今後も多角的に分析を進めながら、一人一台端末の活用や少人数指導など「個別最適な学び」の充実に取り組んでまいります。つきましては、保護者の方々はもとより、町民の皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。