- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道上ノ国町
- 広報紙名 : 広報かみのくに 令和7年8月号(No.768)
■お口の定期メンテナンスはじめませんか?
今月は 歯科衛生士 宮城 若子 です
町では、子どもたちのむし歯予防に力を入れ、3歳児と6歳児の「むし歯のない子の表彰式」を毎年行なっており、平成4年の開始当初から比べると、むし歯のない子がどんどん増えてきています。
一方で、大人になってからのお口の健康は見落とされがちです。でも実は「噛める」「話せる」「食べられる」ことは、当たり前なことではありません。特に毎日の食事に関しては「噛めない」「食べられない」ことで食事の量が少なくなり、低栄養による体力と免疫力の低下を引き起こします。また、歯周病菌はお口の血管から体の中に入り込み、心臓疾患や脳血管疾患、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)など、お口の中の問題がさまざまな病気と直結しています。
◇町の現状
町の介護予防教室の参加者を対象にアンケート調査を行なったところ、「1年に1度歯科検診を受けていますか?」との質問に対し、42%の方が受けていると回答されました。
同様の内容の全国調査結果(令和4年)は、58%が歯科検診を受けていると回答しています。この結果から、歯科疾患を予防するためにも、町内の受診率をもう少し高めたいところです。
また、歯科検診を受けていない理由も聞いてみたところ、(1)「歯が痛くないから」(2)「入れ歯が痛くても、外したら食べられるから」(3)「歯医者に行くと通院が長くなるから」といった話が聞かれました。
(1)歯が痛くないから
歯周病の原因は歯垢(プラーク)です。歯周病は、痛みがなくゆっくり進行するため、気づいたときには重症ということがほとんどです。毎日しっかり歯磨きをしていても、歯垢をきれいに取り除くには、個人の力では限界があり、歯医者では歯磨きでは取りきれない汚れも、専用の器械で落とすことができます。
(2)入れ歯が痛くても外したら食べられるから
〔歯が抜けたまま〕〔入れ歯は作ったけど違和感から外してしまっている〕など入れ歯を使用せずに放置していると、残っている歯が移動して噛み合わせが悪くなり、将来的に食べ物を噛むことが難しくなっていきます。また、発音や見た目の問題、あごの痛み、噛まないことで脳への刺激が減り、認知症のリスクも高まります。
(3)通院が長くなるから
通院が長びく理由の一つは、歯や歯ぐきに痛みが出てから受診することにあります。症状が悪化してからでは治療に時間がかかり、その分通院期間が長くなってしまうのです。
総入れ歯や部分入れ歯の方の中には、「もう自分は入れ歯だから歯科検診は必要ない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、入れ歯は毎日使うものなので、次第に歯がすり減り、歯ぐきの状態も変わってきます。お口の健康を保つためにも、定期的なメンテナンスが必要です。
町では、町民皆様が歯科検診を受けていただけるような準備を進めています。
「今は気になる所がないけど・・・」と思っている、そんなあなたに伝えたい!
「今こそ歯科検診へ」
問合せ:保健福祉課 健康支援グループ
【電話】0139-55-4460