- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道ニセコ町
- 広報紙名 : 広報ニセコ 令和7年4月号
◆今月のテーマ
国籍法を知っていますか?
国籍の仕組みは、知っているようで知らない人が多いのではないでしょうか。
日本では、父または母が日本国民であれば、その子どもは日本国民になります。このように両親の国籍と結びつける仕組みを「父母両系血統主義」といい、ヨーロッパの多くの国はこの制度を取っています。
これに対して、アメリカ合衆国やカナダでは、その国で子どもが出生すれば、その国の国籍を取得します。このような仕組みを「出生地主義」と呼びます。
トランプ大統領が、今年1月に、「米国出生者の出生時、母親が米国に不法滞在し、父親は米国市民または永住権保持者でない場合」などに、市民権(国籍)を与えないとする大統領令を発したことは記憶に新しいかもしれません。現在、アメリカの22州と首都ワシントンとサンフランシスコが、大統領令が「アメリカで生まれ、あるいは帰化し、その司法権に属する者はアメリカの市民である」と定める憲法修正第14条に違反すると提訴しています。今後、連邦最高裁判所が何かしらの判断をする見通しです。
日本の話に戻ります。最近、国籍法で問題になった事案を紹介します。国籍法上、重国籍者(国際結婚した父母から生まれた子が典型です)は、大人になったとき、1つの国籍を選択しなければならず、外国の国籍を選べば、日本国籍を喪失します。この規定が、憲法の幸福追求権などに違反しているとして争われましたが、裁判所は憲法に違反しないと判断をしています(令和5(2023)年2月21日東京高等裁判所)。
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