健康 診療所だより No.315

診療所長 浦本幸彦
■親心
あけまして
おめでとうございます
今年も皆様の健康作りのお手伝いが出来れば幸いです。
時の流れは速いですね。ついこの間正月休みで飲み過ぎたと思ったのですが。また今年もひとつ齢(よわい)を重ねます。齢の漢字の成り立ちは歯がきれいに生えそろっていくように年齢も増えていくからみたいな事が書かれていました。年取ると少しずつ歯も無くなっていく場合があるんですが、それも齢を重ねる変化ですかね(笑)
歳を取っていくと体も少しずつ言う事を聞かなくなってきますよね。否が応でも思い知らされますね。
診察室でもこの話題は多いです。「カラダが不自由になったらどうする?人の世話にならんといかんごとなったらどうする?」「子供は世話してくれそう?」将来そうなる可能性を感じている年配の方々は渋い顔をして答えます。「う~ん子供の世話にはならん。なりたくないね、迷惑かけたくないから」
僕が尋ねた方は皆さんこちらの答えです。
まあ、理解できます。親心として子供に大変な思いをさせたくない気持ちは。
そしてもうひとつ。昔は嫁が舅、姑の面倒を見るのが当たり前と言う半ば強制的な嫌な流れがありました。中には優しい義理の親を親身に介護したお嫁さんもいたでしょう。しかし利己的な意見を強制的に押し付けられる嫌な経験を体験したり見聞きした世代は、決してあのような恥ずべき行為を自分自身は行いたくないと思っているのかもしれません。そこも理解できます。後遺症ですね。トラウマです。
質問を更に続けます
「でも独り暮らしでお手伝い無しでは生活できないのにどうするのさ?」
「せんせ、面倒見てよ」
(てめー自分の子供にはさせない事を僕に押し付けるちゃどういう事や!)
実は身内でなく他人に世話を頼む事は正解です。
ただし最初からではなく最初はお子さん達ご家族と相談してください。働いている世代が親御さんのお世話をすることは大変な事ですが決して迷惑ではありません。もし迷惑と感じるお子さんなら親の育て方が間違っていたのでしょう(笑)
現実的にはお子さんがカバー困難な部分は社会的な福祉サービスがお世話をします。ヘルパーさんやら施設やら介護サービスがあります。ぼくを含めいろんな方に相談してください。
遠慮せんでください。
いや僕にじゃなくてお子さん方に。日本人の美徳のひとつである「謙遜」は尊いものですがやせ我慢までする必要はありません。お子さん達は相談を受けたら「来たか」と思うでしょう。その「来たか」には労力が必要になるなという思いと、よっしゃ親孝行の時が来たという思いが込められていると思います。
子供が親孝行できるよう親心を発揮してください。

◆北竜町立診療所
休診日のお知らせ
1月15日(水)は午後1時30分より、浦本先生が深川市において介護認定審査会に出席のため、午後より休診となります。