くらし マチの宝物

◆一人一人に寄り添う診療を
[プロフィール]
森山博史(もりやまひろし)さん
1962年生まれ 62歳
町立国保診療所 所長

4月1日、町立診療所に新たに着任したのが、森山博史所長。長年、旭川市にある森山病院で外科医療に携わってきたベテランの医師です。
「父が内科医で、病院の敷地内で育ったんです。遊び場が診療所だったような環境でしたから、自然と医療が身近になっていました」と森山先生。
一方で、医師を志す決定的なきっかけとなったのは、漫画『ブラック・ジャック』の存在。
「診断から手術、治療まですべて一人で完結する姿に強く惹かれました」と笑顔で語ります。
その思いは診療科の選択にも表れました。血管外科、小児外科、腫瘍外科(がん外科)といった、一人でも処置ができる分野を中心に経験を積み、がん患者の手術にも数多く関わってきました。
町立診療所での勤務が始まり、地域医療の第一線に立つ今、「80代を超えても元気な方が多くて驚いています。人柄も温かく、患者さんとお話しするのが楽しい」と町民への親しみも深まっている様子です。
さらに今回の着任を機に、診療所では新たに外傷(切り傷や咬まれ傷)や、膝の関節注射、リンパ浮腫の診察にも対応できるようになりました。
「診療の幅が広がったことで、より多くの方の“困った”に応えられるようになりました。どうぞ遠慮なくご相談ください」
森山先生が大切にしているのは「まずは話を聞く」姿勢です。
「治せないこともあります。でも“こうすればいいんじゃない?”と提案することはできる。『とりあえず森山に聞いてみよう』と思ってもらえる存在でありたいですね」。
これまで、365日のうち360日働くような多忙な日々も経験してきました。
「朝から晩まで手術や外来に追われる毎日でしたが、今は朝ゆっくり起きて、患者さんとしっかり向き合えるのが嬉しいです」と穏やかな笑顔を見せます。
そして、こんな言葉も添えてくれました。
「診療所は町民みんなの診療所です。綺麗な施設で、身近なことから相談できる場所ですから、どうか気軽に足を運んでください」。
最後に、町民の健康を願ってメッセージをくれました。
「特にがん検診、ぜひ受けてください。早期発見が命を救います。ここが、町のみなさんの健康の入口になれたら嬉しいですね」。