くらし 報告 2025年度町政・町教育行政執行方針(3)

(2)林業
森林は、生物多様性保全の源であり、水源かん養、土砂崩落防止機能のみならず、木材をはじめとする林産物の供給などの多面的機能を有しており、国内で天災が多発する昨今、減災機能を果たし、町民の皆さんの安全安心な暮らしを守るとともに、貴重な再生可能資源であり、適正に整備・保全することが非常に重要であります。
木材の輸入が再開されたものの、物価高騰により住宅の新築が減少するなか、本格的な伐採期を迎えた我が町の人工林は、資源の循環利用が求められている状況であります。このことは、原木生産から集成材の原材料であるラミナ製材まで一貫生産を強みとし、本町で林業の唯一の担い手である当麻町森林組合の果たす役割も大きく、林業機械導入事業として、フォワーダの導入に支援を行うとともに、当麻町ならではの森林組合と当麻農協の農林連携による森づくりの確立を目指し、本年の秋に結果が出る道産マツの新品種「クリーンラーチ」の試験栽培に対し引き続き支援を行ってまいります。
また、町有林の適正な森林の施業・保護により発生する「CO2」の吸収量をクレジット化し、販売することで企業などのカーボンニュートラルに寄与するとともに、新たな創出された財源を森林整備費用に充てる資金循環の取り組みを進めてまいります。
町有林内人工林では、森林整備センターとの分収契約地の一部において進めておりました、環境負荷の少ない小面積の皆伐と植林を行い、複層の森林へと誘導する更新伐事業を引き続き行ってまいります。
民有林振興としては、町と森林組合による協働体制のもと森林環境譲与税を活用した「民有林等整備促進事業」により民有林整備を包括的に推進するとともに、放置森林を森林経営計画へ集約化し、森林荒廃防止に引き続き努めてまいります。
町内では町有林、民有林の多くが世界標準である森林認証を取得しております。町産材活用住宅に使用される町産材の多くは、認証取得森林から搬出された認証材であります。堅調な住宅需要に対応し、当麻町森林組合が町産材活用住宅にプロジェクト認証を取得し、活用するすべてを認証材とする、町産材プロジェクト認証事業の取り組みに対し引き続き支援を行ってまいります。

(3)商工業
商工業については、世界情勢の変化に伴う燃料・原材料費の高騰などの影響で、依然厳しい経営環境になっておりますが、安定した消費生活や地域経済活動を次世代に引き継ぐためにも、商店は無くてはならないものであり、商工会と連携し、振興対策を図ってまいります。
商工会による電子地域通貨「でんすけペイ」につきましては、各種行政ポイント付与の取組を推進してまいります。また、エネルギー・食料品価格の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の支援策としまして、「物価高騰対策支援事業」を実施し、「でんすけペイ」のポイントを発行し、住民生活の支援と町内の消費喚起を図ってまいります。
「当麻町商工業振興補助事業」は、町内において、事業を行う商店に対し店舗の新築・増改築、機械等の費用についての一部助成、また、市街地の店舗兼住宅を第三者へ店舗などの目的として譲渡する場合に奨励金の支給を行うもので、事業者を引き続き支援してまいります。
中小企業経営安定化資金利子補給事業については、町内商工業者の経営安定と経営基盤の強化を図るため、引き続き借受者に対する融資資金利子補給の全額助成を、実施してまいります。
観光については、食育・木育・花育の3育をブランドコンセプトとして、各種イベントの開催や広告宣伝活動を展開するとともに、各観光施設のPRを併せて実施し、多くの方々に本町へお越しいただき、交流人口の拡大を図ってまいります。
また、観光・地域資源を生かした施設の利活用と民間との協業による観光商材づくりを行うとともに、指定管理者制度を活用した、経済的かつ効果的な観光振興を図ってまいります。
地域おこし協力隊を引き続き募集し、観光施設の魅力発信と利用者への現地ガイドとして、交流人口の拡大を図ってまいります。
本年度における施設整備でありますが、フィールドアスレチックでは老朽化し使用することができない遊具の更新、リニューアルなどを年次計画的に実施し、とうまスポーツランドでは、キャンプ場のトイレ改修やとうま山展望台の改修を実施するなど観光施設の充実を図ってまいります。