くらし 〔特集〕いつまでも、笑顔でいきいき。「敬老の日」に感謝をこめて(1)

比布町には、75歳以上の方が約910人暮らしています(令和7年7月末時点)。ご長寿を迎えられる方が多くいらっしゃることは、町の喜びであり誇りです。今回は、毎日を心も体も豊かに過ごす高齢者の皆さんに、その元気の秘訣を伺いました。

■敬老の日によせて
9月15日は「敬老の日」。高齢者の皆さんが健やかにこの日を迎えられますこと、心からお慶び申し上げます。
長年にわたり地域や社会のために尽力され、次の世代へと貴重な知識や経験を受け継いでこられた皆さん。比布町が今日まで発展してきたのは、皆さんの温かな支えとたゆまぬ努力があったからこそです。
これからも、皆さんが安心して暮らし、生きがいを持って日々を過ごせるようなまちづくりに取り組んでまいります。

■米寿記念品贈呈事業
88歳を迎えられた高齢者の米寿をお祝いし、長年にわたる社会へのご貢献に感謝を込めて、慶祝状と記念品をお贈りします。
担当:役場保健福祉課社会福祉室福祉係

■公衆浴場無料開放
「敬老の日」をお祝いし、9月14日・15日の2日間、65歳以上の方は公衆浴場を無料でご利用いただけます。ご利用の際は、管理人にお申し出ください。
担当:役場税務住民課税務住民室環境生活係

■〔Interview〕あなたの元気の秘訣は?
◇木曜体操のおかげ
塚田博美さん(84)
〔東町〕
木曜体操に参加して早4年。きっかけは2つありました。 まず、定年退職から2年ほど経ったある日、娘に「元気がない」と言われたこと。もう一つは、運動不足を感じていた頃、町の保健師さんに「木曜体操に参加してみては」と勧められたことです。
木曜体操を始めてからは、月1回、保健センターにある体組成計で体の変化を確認するようにしています。3年を過ぎた頃には体力テストで年齢の平均値を上回ったり、筋肉量増と脂肪減が数値に表れました。「続けて良かった」と実感しましたね。
体だけでなく頭の運動にも取り組んでいます。歴史の資料を読んでまとめ、紙に書くこと。認知症予防になり、人に読んでもらえる喜びもあります。

◇交流の場が大切
林輝男さん(79)
〔2区〕
若い時は農業にがむしゃらで、前例のない挑戦もしました。「無茶だ」と言われることもありましたが、新聞やテレビに取り上げられたこともあり、振り返れば誇りです。
4年前、大病をしたことを機に出荷用はやめ、今は自家用野菜を育てています。夏は自転車、冬は歩いて近所を回るなど、運動も日課にしました。
今年の春に南長寿会が解散しましたが、「定期的に交流できる場が必要」と思い、『2区憩いの会』をつくりました。75歳以上の15人ほどが集まり、会話を楽しんでいます。老人クラブにも加盟しているので、会場や町の送迎も助かります。
案内文はパソコンで作っています。目は見えにくくなりましたが、こういう作業は嫌いじゃないんですよ。

◇民謡と仲間に恵まれて
三上シゲ子さん(88)
〔西町〕
子育てが落ち着いた頃、民謡をやっていた弟に「やってみないか」と誘われたのが始まりでした。仕事終わりに何十年も旭川市に通い、比布町の「北謡会」でも、文化祭や発表会でうたって楽しかったですね。当時は会員も20人を超えるほどでした。
何曲も覚え、大きな声を出すので頭にも体にも良かったと思います。札幌市や函館市の大会にも出て、たまに賞もいただきました。誰でももらえるような賞かもしれませんが、それでも嬉しいものです。
好きなことを思いっきり続けられたことが、私の元気の秘訣ですね。
「北謡会」は先生の体調不良で8月に解散しましたが、長く歌と仲間に恵まれた時間は、私の宝物です。

◇学びと笑顔で元気に
太田とみさん(77)
〔5区〕
60歳を過ぎて白寿大学に入学し、絵手紙クラブで長く活動しています。月1回集まり、野菜や花、料理の話をしながら楽しんでいます。代表を10年以上続けていますが、皆さん元気で、出席率も高いんですよ。
白寿大学の講義では、サックスや津軽三味線の演奏会が特に好きでね。皆でボウリングに行ったことも思い出です。
学生時代はバドミントン部で、子育て中もママさんバドミントンを続けました。今はけがが心配で控えていますが、同年代の方もやっているので、また挑戦したい気持ちもあります。
元気の秘訣は、絵手紙仲間と笑顔を交わすこと。自然と元気になれるんです。皆さん私以上に元気なので、私ももっと元気でいたいと思います。

◇「忙中閑あり」を胸に
澤田勇さん(85)
〔東町〕
教員をしていた現役時代から自然とふれあうのが大好きで、比布町の突哨山の豊かな自然に魅せられました。平成20年に散策路「ぴぴの路みち」が開通してからは足しげく通い、環境整備や観察会などに参加しています。
カメラを趣味にしていて、突哨山や町内で撮った美しい自然をブログに載せています。道外から見てくれる人も多いようで、遠くの人に町の魅力を知ってもらえるのがうれしいです。
学生の頃に教わった「忙中閑あり」という言葉を胸に、忙しい中でも心の余裕を持ち、時間を大切にしてきました。健康づくりのための卓球も、社会参加のための点字ボランティアも、まだまだ続けたいですね。

◇夢中になれるものがあれば
桐一郎さん(85)
〔2区〕
突哨山の自然は町の誇りであり、他にはない宝物です。道外から何度も足を運ぶ人も居るほど、価値のある場所だと思います。良い空気と景色を見ることが、元気の秘訣ですね。
ほかにも「サケの会」や木彫りの講師など、さまざま活動に携わっていますが、ぼんやり過ごすよりも夢中になれるものがあることが幸せです。ぴぴの路の環境整備をしていると「歩きやすくなった」と声をかけられることがあり、そんな言葉が何よりの励みです。
ただ、まだまだ町民でも行ったことがない人、知らない人が多いのが現状。もっと多くの人に魅力を知ってもらいたいし、後を継いで守ってくれる人が増えてほしいと思います。