- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道上富良野町
- 広報紙名 : 広報かみふらの 2025年5月9日号
◆町の健康課題 不整脈、心不全などの循環器病が増加
町では、不整脈や虚血性心疾患、心不全などの循環器病で治療している方が増えています。
町の高齢化率は国や道と比較すると33.6%と高く、国保の被保険者に占める65歳以上の前期高齢者の割合も国と比較して高くなっています。超高齢化社会を迎えた日本では、循環器病はさらに増加すると推計されており、健康寿命の延伸に関わる課題となっています。
循環器病の中でも高齢化に伴い、近年増加しているのが心不全です。心不全はいまや国民病と言っても過言ではないほどその患者数は増えており、2030年には130万人になるといわれています。
高齢化率
◇心不全とは?
心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です
→息切れやむくみはありませんか?
心不全の原因には加齢や生活習慣病があります。心不全はすべての循環器病の終末像であり、一度発症すると良くなったり悪くなったりしながら進行していくこともあります。しかし、心不全の前段階では自覚症状はありません。心筋梗塞の中には自覚症状のない「無症候性心筋虚血」もあり、気づかないうちに心不全まで進行していることもあります。また、心不全を発症し息切れやむくみなどの自覚症状が出ても疲れや年のせいと思い、気づかずに放置されていることも少なくありません。
◇心不全は予防することができます
→40~74歳の国保被保険者を対象に心不全に関する検査を実施します
町では心不全の予防と早期発見を目的に、今年度から特定健診(40~74歳の国保の方)に心不全マーカーであるNTproBNPと推定一日食塩摂取量の検査を実施します。
心不全は、症状が出る前に心臓機能の低下に気づくこと、心不全の前段階で生活習慣の改善や生活習慣病の治療を行い、次のステージに進まないことが重要です。
特定健診を受けて、生活習慣病の状態と合わせてNTproBNPの自分の値を確認しましょう。心臓への負担を減らすためには食塩は6g未満/日が推奨されています。推定一日食塩摂取量でどのくらい塩分を摂っているかを確認しましょう。
町の健診では心不全に関する検査以外にも独自に、血管の変化(動脈の状態)がわかるように基本項目の他に心電図検査、眼底検査、微量アルブミン尿検査を国保の特定健診受診者全員に追加で実施しており、生活習慣病の発症・重症化予防に取り組んでいます。
心不全に関する検査項目
心不全ステージAとBの段階で気づき予防することが重要