- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道小平町
- 広報紙名 : 広報おびら 2025年4月号
■はじめに
令和7年小平町議会定例会の開会にあたりまして、令和7年度の教育行政の執行方針につきまして申し上げます。ご存じのとおり私は昨年7月1日より教育長となり小平町にまいりました。以来、町民の皆様方には本当に温かく接していただきまして心より感謝しております。小平町で1年弱を過ごし教育の現状につきまして感じたことを述べさせていただきます。まずは、子どもたちの学力が高いことです。その要因として、保護者や地域の皆様の意識が高いこと、豊かな自然に囲まれのびのびと学びに向かっており、健やかに育っていること、教職員の高い指導力と教育に対する深い愛情があることなどが挙げられます。しかしながら課題がないわけではございません。特に少子化の影響によりこれからの本町の学校教育の在り方につきましては、協議及び検討を行っていく時期に来ております。町民の皆様及び関係各所の皆様よりご意見ご指導を賜り、適切且つ迅速・丁寧に進めさせていただきます。本町が将来にわたって発展していくためには、様々な課題を発見し、自ら立ち向かい、多様な方々と連携・協働して、最適な解決方法を導き出していく力が必要であるとともに、持続可能な社会の創り手となり、多くの人々が幸せや生きがいを感じられる社会を実現していく必要がございます。教育委員会といたしましては、「ふるさとを愛しふるさとを拓く心豊かな人を育む小平の教育」を基本理念とした、「第2次小平町教育振興基本計画」に基づき、劇的に変化していく令和の時代において、子どもたちが主体的に逞しく生き抜いていくために学校や家庭、地域と一層連携を図り、子どもたちが仲間と協働して学び合い、助け合っていく人間関係づくりを目指し、教育行政を推進してまいります。以下、主要な施策につきまして申し上げます。
■小平の未来を拓く人材の育成
はじめに、幼児教育及び子育て支援の充実につきまして申し上げます。幼児期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることを踏まえ、家庭・幼稚園・学校・地域が連携・協働しながら総合的に子どもを育てていく環境を構築してまいります。このため教職員の専門性を高め資質・能力の向上を目指した研修を継続的に実施し、幼児教育、幼児保育の一層の充実・発展に努めてまいります。子育て支援につきましては、今年度も引き続き幼児教育、幼児保育、子育て支援の応援をさせていただき、預かり保育や延長保育、おにしかこども園の運営などの施策を実施し、これからも保護者のニーズの把握に努め、幼稚園の振興を図ってまいります。また、年に回程度「うちの子一番クラブ」10を実施しており、幼稚園就学前のお子様を対象に様々なイベントを実施し、母親同士の交流を図ってまいります。
次に小中学校教育の改善・充実につきまして述べさせていただきます。「確かな学力」を育む取組の充実につきまして、確かな学力とは、学ぶ意欲や自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力のことであり、これからの社会で生き抜くために必要な力でございます。この確かな学力を育成する指標となるのが令和6年度全国学力・学習状況調査でございます。本町は小学校では全国全道平均を大きく上回っているとともに、中学校におきましても2教科のうち数学は平均を上回っている状況でございます。この結果を踏まえ、各学校が組織的に分析し授業改善を図り、児童生徒の基礎的・基本的な学力の定着に改めて取り組んでいるところでございます。また、今年度も引き続き文化交流センターにおきまして、放課後に主体的に学ぶ中高生に学習会を実施する考えでおります。
ICT教育の推進につきましては、GIGAスクール構想を進め、すべての児童生徒がタブレットを活用するとともに、学習アプリ「ミライシード」を導入し、子どもたちの学力の向上はもとより、情報モラルを含めた情報活用能力やプログラミング的思考の育成に取り組んでまいります。また、すべての児童生徒分の端末につきまして、高性能の端末へと更新してまいります。
グローバル人材の育成につきましては、まずグローバル人材として、語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感を有するとともに、異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティを持つことが肝要です。多様な人々との協働やSDGs(持続可能な開発目標)を踏まえ、幼稚園において多様な人々と関わる行事を、小学校においては外国語活動を、中学校においてはALT(外国語指導助手)を有効活用した外国語の習得のみならず、異国の文化や習慣などを理解する学習活動に取り組んでおります。
特別支援教育の推進につきまして、本町では、幼稚園、小中学校が連携し、管内唯一の特別支援学校である小平高等養護学校の協力をいただきながら、小平町特別支援連携協議会における情報共有と適切な支援の協議を行い、保護者の理解を得ながらきめ細やかな指導と一貫した支援を行ってまいります。そのためにも必要に応じて特別支援員を幼稚園及び小中学校に配置し、園児・児童・生徒の生活や学習活動を支援いたします。