- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道幌延町
- 広報紙名 : ほろのべの窓 令和7年4月号 No.726
国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 幌延深地層研究センター
モグ太くん:「モグ太」です。今回は、センターの事務所、センター所長、安全活動について紹介します。
■幌延深地層研究センターの事務所
幌延深地層研究センター(以下、センター)の事務所は、「研究管理棟」と呼んでおり、事務室や会議室の他、図書室、書庫、計算機室、医務室、休憩室などがあります。研究管理棟は周辺環境に馴染むよう、レンガや木材を多く使用しています。正面玄関から入ると吹き抜けのロビーがあり、また、各事務室と廊下との仕切りはガラスを多く使っていて解放感があります。内装は木目と白を基調とした温かみのある色合いで、地下での研究作業や細かな事務作業、上司からのプレッシャーに追われる従業員には、多少癒しの効果があったり、無かったり。築19年(平成18年竣工)を感じさせないのも木目の効果かもしれません。
研究管理棟から渡り廊下を抜けると「試験棟」があります。試験棟は、実験室や作業場、倉庫などとして使用しています。倉庫は研究で使う装置・機材・備品などを保管していて、「コア倉庫」という2階吹き抜けの一番大きな部屋には、約1万本の「ボーリングコア」を保管しています。ボーリングコアは、地下深くから岩盤を棒状にくり抜いて採取したものです。中には深さ1000mから採取したボーリングコアもあり、非常に貴重なものです。
トナカイ観光牧場の近くにひっそりと佇んでいますが、実は非常に貴重な試料などもある世界でも珍しい研究施設で、従業員にとっては、いい時も悪い時も吹雪の日も苦楽を分かち合っている事務所ですから、これからも大切に使い続けたいと思います。
■幌延深地層研究センター所長
そんな事務所で働く従業員のボス・責任者は、佐藤稔紀(さとうとしのり)所長です。センター内でも大柄な方で柔道の有段者です。柔道家らしく普段から多少のことでは動じず、どっしりとセンターに「安心感」をもたらしています。所長は、毎朝8時前に出勤して、一日の多くは研究管理棟の「所長室」で資料確認、打合せ、Web会議などを精力的にこなしています。出張や会議などの予定も多く、なかなかゆるくない日々を過ごしているはずですが、そんな中でも早朝(夜中?)に釣りをしてから出勤することもあるようです。釣った魚は自分でさばいて、社員寮でみんなにおつまみを提供したり自宅に送ったりしているとか。やはりお酒もたしなみますから(酒豪)、釣って食すまでが趣味のようです。大きな責任感・プレッシャーのストレス発散になっているのだろうと思います。所長は、過去には岐阜や東京での勤務もありますが、平成27年からは幌延一筋で、研究のグループリーダー、部長、副所長を歴任し、令和5年から所長を務めています。幌延での生活も10年になり、趣味や生活スタイルも含め、すっかり幌延町に馴染んで、どっしりとセンター所長の任を務めています。
■安全活動
そんな所長が、センターの運営で特に重きを置いていることは「安全」です。今は深度500mの地下施設整備工事の真っ最中であり、地下施設の整備を事故無く無事に令和7年度中に終えるよう、みんな一層の緊張感を持って作業にあたっています。作業前には、特に気を付けなければならない点などを確認し合うミーティングを実施し、必要な装備に漏れが無いかなど声を掛け合って準備します。地下施設に入坑する作業員は、専用のスマホを携帯することで地上の中央管理室で誰がどこにいるか確認でき、緊急時にはすぐに連絡が取れるように管理しています。地下施設内には多くのセンサーがあり、中央管理室でガス濃度などを常時監視しています。また、地下施設内の工事ではガス対策として、引火する恐れがある液体燃料を使用せず、重機などは電動のものを使用しています。これらのような対策をしても、「慣れ」による油断は大きな危険要因ですので、普段から「頭上・足元注意」「ポケットに手を入れて歩かない」などの「基本」を忘れないよう、貼り紙や朝会での声掛けなどで強く注意しています。普段現場に出ることが少ない所長や各部署長も、定期的に現場や各職場をパトロールして危険の芽を摘み、従業員が安全で健康に働けるよう注意を払っています。このように日頃から安全対策や安全意識の高揚に懸命に取り組んでいますが、油断せず、「事故がおきるかもしれない」との緊張感を持って、引き続き「安全第一」で進めていきます。
広報・調査等交付金事業
問合せ:国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
幌延深地層研究センター…【電話・告知端末機】5-2022【HP】https://www.jaea.go.jp/04/horonobe/
ゆめ地創館…【電話・告知端末機】5-2772【HP】https://www.jaea.go.jp/04/horonobe/yumechisoukan/index.html