くらし ≪特集≫ごみ処理の現在、そしてこれから。(2)

◆中間処理方式は焼却処理方式に
今回整備を予定している施設で採用される焼却処理方式は、ごみを高温で焼却し、焼却後に残った灰を最終処分場へ埋め立てる方式です。
かつての焼却施設では、ダイオキシンや悪臭、黒煙などが深刻な環境問題となっていました。しかし、現代の焼却施設は技術の進歩により大きく改善されており、850℃以上の高温で完全燃焼することで、ダイオキシン類の発生を抑制しています。さらに、24時間体制の運転監視システムや、高性能な排ガス処理設備を備え、第三者機関による定期測定と情報公開が義務付けられるなど、周辺住民環境への影響に配慮したより安全・安心な施設運営が可能となっています。
このような背景から、道内外でも市街地付近に焼却施設が建設・運用されています。

○市街地付近の焼却施設事例
帯広市や旭川市などでは、市街地付近にて焼却施設が稼働しています。

1.十勝圏複合事務組合(くりりんセンター)
所在地:帯広市
供用開始:平成8年10月
処理能力:330t/日
余熱利用:給湯、暖房、ロードヒーティング、高温・高圧蒸気発電

2.旭川市近文清掃工場
所在地:旭川市
供用開始:平成8年4月
処理能力:280t/日
余熱利用:給湯、暖房、ロードヒーティング、自家発電、市民ふれあいセンター 熱及び電力供給、近文リサイクルプラザ 熱及び電力供給

○一般的な焼却施設の処理フロー
ごみを集めたごみ収集車は、計量機で車ごとごみの重さを計った後、プラットホームでごみピットにごみを投入。ごみピット内でクレーンを使い均質になるよう混ぜあわせ、ごみ投入ホッパから焼却炉に投入されたごみは、850℃以上の高温で完全燃焼され、灰となって搬出されます。

○近年の焼却施設の特徴
『安全で適正な処理システム』

・ごみを高温で焼却処理
850℃以上の高温で燃やすことでダイオキシン類の発生を抑制

・ばいじん(飛灰)を無害に
埋立地での重金属の溶出を防止するため、飛灰処理設備で処理

・排水の適切な処理
ごみ汚水はごみと共に焼却炉内で焼却し、その他の汚水は排水処理設備で処理した後、下水道放流する等適切に処理

・厳格な法規制への対応と情報公開
法令に基づく厳格な排出基準を順守しており、定期的に第三者機関による測定を実施。結果は公開され、透明性のある運営を実施

『エネルギー循環』
・ごみを燃やした熱の利用
ごみを燃やした時に発生する熱を、給湯、暖房、ロードヒーティング等に利用

『環境負荷の低減』
・空気を汚さない
ごみを燃やすと発生する排ガスは、適切な処理を行い、きれいな状態で煙突から排出

・臭いを外に出さない
ごみピットから発生する臭気は、焼却用空気として焼却炉へ送り、高温で分解して無臭化。
また、プラットフォーム全体は陰圧状態に保たれており、臭いが外部に漏れ出さない構造

◆よくある質問(FAQ)
Q1.建設候補地の災害時のリスク対策は?
美幌川に近く、ハザードマップにも入っているため、洪水リスクがあることを前提に、盛土による地盤のかさ上げや、浸水防止設備(止水版、防水シャッターなど)の導入、重要機器の上階設置など、災害時にも機能を維持できるような設計の検討が予定されています。

Q2.ごみの分別方法は変わるの?
現在、青色の有料ごみ袋で収集している「一般ごみ(混合)」から、「可燃ごみ」と「不燃ごみ」の分別へと変更予定です。具体的な分別ルールや変更時期は、今後町からあらためてお知らせします。

Q3.有害な物質(ダイオキシンなど)は発生しないの?
昔の焼却施設とは違い、最新の施設ではごみを高温で燃やすことでダイオキシン類を分解しています。法規制も強化されており、煙に含まれる塵はフィルターでしっかり取り除かれ、きれいにしてから大気中に放出されます。

Q4.煙やにおい、騒音など生活への影響は?
生活への影響(騒音、振動、悪臭、水質など)を避けるため、施設建設前に「生活環境影響調査」を実施します。施設は生活に影響が出ないように設計され、調査結果は公表を予定しています。

[Information]
まち育出前講座に、「斜網地区廃棄物中間処理施設」に関するメニューを追加しました。
これからのごみ処理を考える~広域化と新しい施設のおはなし~
ホームページID:14500

◆おわりに
ごみの広域処理は、将来にわたって地域の暮らしを守るための大きな一歩です。
本町が建設候補地として正式に決定されたことを受け、今後も町民の皆様に丁寧な説明と情報提供を行いながら、事業を進めてまいります。
町民の皆様の暮らしと環境を守るため、将来を見据えた持続可能なごみ処理体制の構築に取り組んでまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。

問合せ:環境管理課 環境衛生グループ
【電話】77-6550