- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道弟子屈町
- 広報紙名 : 広報てしかが 2025年10月号
今月の保健師 渡邊麻依子さん
ようやく秋が来たように感じます。今年の夏も暑かったですね。皆さん、体調は変わらず過ごされていますか?10月10日は『世界メンタルヘルスデー』とされており、今年のテーマは「〜つながる、どこでも、だれにでも〜」。今回はこの「つながる」に焦点を当ててお話ししていきたいと思います。
■町の現状
日本の自殺者数は平成10年に3万人を超え、平成21年頃から減少傾向ではありますが依然年間2万人を超えています。本町の自殺死亡率は、5か年平均でも全国全道を大きく上回る結果となっており、町では平成31年から「いのち支える弟子屈町自殺対策計画」を策定、その中にゲートキーパーを養成するという行動計画を掲げてきました。
自殺死亡率(人口10万対)の推移
資料:地域自殺実態プロファイル各年資料
■ゲートキーパーとは?
ゲートキーパーという言葉は、平成19年6月に閣議決定された自殺総合対策大綱において、重点施策の1つとして掲げられ国内でも広がりました(もともと海外で広く使用されてきた概念でした)。
ゲートキーパーとは「悩んでいる人に気づき、声をかけてあげられる人」のこと。家族や友達などに対して普段から実践している方もいるかもしれませんね。特別な研修や資格がなくても、誰でもなることができます。声をかけあう機会が増えることで、相手の変化に早く気づき、少しでも不安を和らげてあげられる可能性が高まります。ゲートキーパーには「変化に気づく」「じっくりと耳を傾ける」「支援先につなげる」「温かく見守る」という4つの役割が期待されていますが、どれか1つだけでも実践できればいいとされています。『自殺予防』と聞くと、「自分には荷が重い…」「そこまでできないよ…」と思う方も多いと思いますが、自殺に関わらず、心の健康は1人で解決することは難しいです。ゲートキーパーの方が気づいたことを、役場の保健師に教えてくださることも、大きな支援の1つになります。
■ゲートキーパーの方の心も大切に
相談を受けていると、自分の心が疲れてしまう時もあるかもしれませんが、それは悪いことではなく、自分自身の休養が必要な時だと思います。先ほどもお伝えしたように、すべてを1人で抱え込む必要はありません。少しでも悩んだり、対応に困ったりした時は保健師までご相談いただけたら嬉しいです。みんなで考えることで、よりよい対応が見つかるかもしれませんね。
■さいごに
町としては、まずはゲートキーパーの認知度を高めていきたいと考えています。そのためには、多くの町民の方がその言葉について触れる機会を増やしていきたいです。特別な研修がなくても大丈夫と言いましたが、ゲートキーパーの役割や心の健康について学ぶことができる『ゲートキーパー研修』というものがあります。町内の会社・事業所・自治会など団体向けに研修もできますので、ぜひ健康推進係保健師(【電話】482‒2935)までご相談くださいね。
ゲートキーパーの認知度
資料:令和5年度総合健診アンケート、令和3年度自殺対策に関する意識調査(厚生労働省)
■メンタルヘルス講演会を実施します
11月19日(水) 18〜19時
講師:
株式会社ここから
村本好孝先生(精神認定看護師)
演目:『未定』
※詳細については、後日チラシにてお知らせします。楽しみにお待ちください。