健康 【特集】夏の健康を守る 熱中症の症状と予防法

■道内の救急搬送件数(2024)

7、8月は気温と湿度が上昇しやすいため、熱中症のリスクが増大し、標津町でも熱中症により救急搬送される方がいます。
具体的な要因は、「高温多湿」や「日射量」、「水分不足」などで、これらが重なることで、熱中症の発症率が高くなる傾向があります。
そのため、こまめな水分補給や涼しい服装、そして適度な休憩を挟むことが熱中症の予防に重要です。

■標津町の熱中症による救急搬送
町内の熱中症による救急搬送は2023~2024年の2年間で合計6件。(提供:標津消防署)
暑くなり始める時季から熱中症による通報を受け救急隊が出動しています。
標津町は涼しい気候の地域ですが、日頃から熱中症対策をしっかり行うことが大切です。

■高齢者や子どもは特に注意!
▽高齢者
暑さや水分不足に対する感覚機能や、体の調節機能が低下しているため、注意が必要です。

▽子ども
体温の調節能力が十分に発達していないため、気を配る必要があります。

■熱中症の症状
熱中症は、高温多湿な環境で体が適応できないことで生じ、さまざまな症状を引き起こします。
次のような症状が現れ、改善されない場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
・めまい、立ちくらみ
・大量の発汗
・筋肉痛や筋肉のけいれん

症状が進むと…

・頭痛、嘔吐
・倦怠感、虚脱感
・判断力、集中力の低下など

■応急処置の方法
熱中症と思われるような症状があった場合は、次のような処置を行いましょう。

▽涼しい場所へ避難
エアコンが効いた室内や風通しの良い日陰 など

▽衣服を緩め、体を保冷剤などで冷やす
首の周りや脇の下、足の付け根など

▽水分補給は経口補水液がおすすめ
スポーツドリンクと違い電解質濃度が高く、糖分濃度が低いため、水分が素早く補給されます。

自力で水が飲めない、応答(意識)がない場合は、すぐに救急車(119番)を呼びましょう。

■熱中症は日頃の予防が大切
熱中症は、日々の生活習慣から意識することで予防ができます。
熱中症対策のポイントを保健師に伺いましたので、皆さんも参考にしてみましょう。

(1)室内温度は24~28℃を保つ
外との温度差による体の負担を減らすため、エアコンなどで温度をこまめに調節しましょう。

(2)暑さを避ける
外出時は帽子などを着用し、日陰がある場所でこまめに休憩しましょう。

(3)こまめな水分補給
室内外問わず、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給をしましょう。

(4)健康的な生活習慣
バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動を実践しましょう。

■保健師のアドバイス
熱中症は重症化すると命に関わります。
軽い症状のうちに速やかに対処することが重要なポイントです。
重症度によりI~IV度に分類されており、めまいや立ちくらみはI度に分類されますので、直ぐに応急措置を行いましょう。
さらに症状が進むと意識障害が起こりますので、その様な場合は速やかに医療機関で処置を受けましょう。

▽予防に重要なこと
熱中症予防には、暑い、蒸し暑い環境を避けることと脱水症を防ぐことが重要です。水分は1日1.2~1.5Lを目安に、1日8回程度に分けて「のどが渇く前に」こまめに補給しましょう。

▽体調管理が重要
体温調整は自律神経の働きにより行われていますので、普段から自律神経を整える生活をしましょう。不規則な生活や寝不足、ストレスに気をつけ、バランスの良い食事をとることが重要です。
また、ウォーキングなどの軽い運動や入浴により発汗機能を活性化させ、暑さに慣れること(暑熱順化)も大切です。

■クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)
熱中症の被害を防ぐため、町が指定した施設です。お気軽にご利用ください。
指定施設:生涯学習センターあすぱる
開放時間:9:00~21:00(毎日開放)
受入人数:30人

■消防庁リーフレット
熱中症の症状や応急手当などを紹介。詳しくは本紙掲載の二次元コードをチェック。

■環境省LINE公式アカウント
熱中症警戒アラートの情報が確認できます。

■熱中症対策に役立つキーワード
▽暑さ指数(WBGT)
人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、日射・輻射熱、気温を取り入れた指標

▽熱中症特別警戒アラート(暑さ指標35以上)
健康に重大な被害が生じる恐れがある場合、環境省から発表される情報

問合先:保健福祉センター
【電話】82-1515