くらし 【特集】まちに明かりを灯す(1)

田名部・大湊地区閃閃事業
田名部・大湊地区提灯設置事業/田名部・大湊夜市実施事業/まちなかクリーンアップ事業

■まちに再び提灯を灯す
少子高齢化、人口減少の波により、かつてのまちの賑わいが遠い記憶のように近年は祭りを照らす提灯の明かりも一つまた一つと消えています。
この夏、この明かりを取り戻すため、むつ商工会議所をはじめとした各団体が組織の垣根を越え、祭りを盛り上げる提灯を再び灯す「田名部・大湊地区※閃閃(さんさん)事業」を実施しました。

※閃閃(さんさん)とは台湾語で「キラキラ」という意味

■むつの夜に輝く台湾の明かり
この取り組みの第一歩として、今年7月の「大湊夜市(よいち)」と8月の「田名部夜市」において、台湾高雄市の提灯を展示しました。高雄市はむつ市立川内中学校と昭和63年から交流を重ね、令和6年にはむつ市と国際交流促進覚書を締結しています。むつ市の特産品を高雄市で販売するなど、経済分野にも広がりを見せる中、本事業は、まちの明かりを絶やさない取り組みに国際交流の彩りを添えました。

■まちなかクリーンアップ事業
大湊ネブタ、田名部まつり開催中、協力団体の方とゴミ拾いを実施。祭りの開催にともなって増えるゴミを片づけ、綺麗なまちで祭りを楽しんでもらうこの取り組みも、田名部・大湊地区閃閃事業の一つとして実施されました。大湊ネブタでは2カ所にゴミステーションを設置し、昨年に比べ、ポイ捨てされたゴミが減少しました。

■夜市、どんなイベント?
令和6年から開催している大湊夜市は、むつ商工会議所が主催となり、掃海訓練で大湊地区に滞在する自衛隊の方と地域の交流などを目的に開催しています。
今年は田名部地区でも開催し、8月のむつを盛り上げるイベントの仲間入りを果たしました。
夜市の他、イベント情報や田名部・大湊地区閃閃事業についてはむつ商工会議所ホームページをご確認ください。

■「また来たい」と思ってもらえる魅力ある祭りのために
むつ商工会議所(むつ市派遣職員) 西村 俊哉さん
少子高齢化や若者の市外移住により担い手が減り、商店街でもシャッターを下ろす店舗が増える中、昨年の田名部まつりでは五車別れに提灯の明かりがないまま執り行なわれました。提灯が消えてしまうことで、「また来たい」と思ってもらえる魅力や、観光資源としての価値も損なわれてしまいます。危機感を感じているなか、田名部・大湊地区提灯設置事業へ多くのご協賛をいただき、長年明かりを灯せなかった箇所を照らすことも可能となりました。さらに台湾・高雄市の提灯も初めて設置され、まちに新たな彩りが加わりました。今後も持続可能な運営を目指していきますので、地域の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。