- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県大鰐町
- 広報紙名 : 広報おおわに 令和7年(2025年)11月号
■一般質問
山谷 博子 議員
秋田谷 和文 議員
竹内 富士子 議員
藤田 賀津彦 議員
須藤 尚人 議員
三浦 道広 議員
髙橋 浩二 議員
7名登壇
○山谷 博子 議員
(1)5歳児検診の導入について
(2)保育料の完全無償化について
(3)猛暑時の避難対策と防災意識の向上について
問(1):当町では三か月健診、七か月健診、一歳児健診、一歳六か月健診、3歳児健診と行われており、その後就学までの間には、健診の空白期間が生じている。
近年、発達障害や育ちのつまづきが、就学後に顕在化するケースが増えている。そうしたなかで、就学前の最後の検診としての5歳児健診の重要性が全国で注目されている。
弘前市ではすでに5歳児健診が行われており、子どもたちがよりスムーズに小学校生活へ移行できるような支援体制が整えられている。そこで伺う
(一)5歳児健診の必要性について、町ではどのように認識しているのか。
(二)令和六年度から国庫補助金制度が5歳児健診の対象になっているが、これを活用して導入を進める意向があるのか。
(三)5歳児健診を導入するにあたり、どのような課題があるのか。
答(1):(町長)
5歳児は、発達障がいが認知される時期であり、保健・医療・福祉による対応の有無が、その後の発達に影響を及ぼす時期である。5歳児に対して健康診査を行うことは、発達障がい等を早期に発見し、適切な支援につなげることが期待できるので、実施の必要性を認識している。
課題としては、5歳児健診の実施に当たって、十分な経験を有し幼児の保健医療に習熟した医師や心理士などが、発達障がい等を専門的な視点で診査するとされているが、これに対応した医師等の確保が難しい状況である。また、発達障がい等を踏まえた支援が必要であると判断された幼児及び保護者に対して、必要な支援につなげられるよう健診後のフォローアップ体制を整備することが、5歳児健診を実施する上で重要となる。
しかしながら、受入れを担う近隣の医療機関及び福祉サービスを提供する療育機関が限られており、健診の医師等の確保以上に受入れが難しい状況である。国の補助金制度の活用は可能であり、取組むべきものであることは認識しているが、先に申し上げた課題により、実施に至っていない現状である。
問(2):昨今の物価高騰などの経済状況や社会情勢の変化をふまえると、子育て世代の家計はさらに厳しい状況にある。当町の場合は〇歳から二歳児は、生活保護法による被保護世帯と町民税非課税世帯は無料だが、共働き世帯などの多くは、就学前でありながら保育料負担が大きく、子育てと就労の両立の妨げになっているとの声が、町民からも多く寄せられている。
青森県内では二〇二五年度現在で、〇歳から二歳児の保育料を完全無償化している自治体は、二十二市町村となっている。こうした動きは子育て支援における自治体間の環境格差が広がる懸念があり、本町としても支援基準を早急に整備する必要性があると考える。そこで伺う。
(一)来年度の予算編成に向け、所得制限に関係なく、〇歳から二歳児保育料の無償化、または段階的無償化に着手する考えはあるのか。
(二)〇歳から二歳児の保育料を完全無償化した場合の町負担は実績額換算でどれくらいなのか。
答(2):(町長)
3歳児から5歳児は、幼児教育の重要性が強調され、義務教育に近い位置づけとして令和元年十月に保育料が無償化された。一方で、〇歳児から二歳児は、保育中心であり、教育的観点よりも家庭の就労支援が目的となるため、支援の範囲が限定的となっている。限られた財源の中で、経済的に困難な家庭を優先的に支援するという方針に基づき、保護者の課税状況等により保育料を設定しており、本町では国基準額の五割から九割程度に抑えている。そのほか、国及び県の多子軽減事業により、保育料の軽減措置が図られている。令和六年度の本町の保育給付費の実績額は、二億五千四百五十万円ほどであり、そのうちおおよそ四分の一を町が負担している状況となっている。
また、本年四月から、段階的な子育て支援の拡充策として、副食費を無償化し、三百八十万円ほど町が負担することで、保護者の負担軽減を図っている。〇歳児から二歳児を無償化した場合、町の負担額は令和六年度実績換算で一千百三十九万円ほどの追加が見込まれる。現在の財政状況を勘案すると、保育料の完全無償化は難しいと判断している。町としては、引き続き国や県の政策動向や他自治体の動向を注視しながら、子育て施策を継続していく。
