くらし 認知症 になっても 安心して暮らせるまちを目指して
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- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県三戸町
- 広報紙名 : 広報さんのへ 令和7年4月号
◆認知症の現状と課題
世界では、人口の高齢化が進む中、認知症の問題がますます重要になっています。世界保健機関(WHO)の報告によると、現在、認知症を抱える人は約3,560万人で、この数は2030年には2倍、2050年には3倍以上に増加する予測です。
日本でも、認知症高齢者の数は増加しています。2012年には65歳以上の高齢者の約4人に1人が認知症の人またはその予備軍とされ、2025年には約700万人に達すると予想されています。
◆三戸町の取り組み
町では、認知症の人やその家族、地域住民、医療や介護の専門職などが気軽に集まり、認知症について理解を深める「オレンジカフェ(認知症カフェ)」を開催しています。参加者がお互いに情報共有し、理解し合うことで、認知症の人やその家族にやさしいまちづくりを目指します。
2023年6月14日には「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しました。この法律は、認知症の人が尊厳を保持し希望をもって暮らせるよう、認知症の人を含めた国民一人ひとりが個性と能力を十分に発揮し、お互いに尊重して支えつつ「共生社会」を実現することを目的としています。
《3月14日、町、三戸中央病院、三戸町社会福祉協議会の3つのオレンジカフェが合同で、初めての交流会を開催しました。》
三戸町社会福祉協議会
主査 平山 雄貴氏
★地域を支える交流の場
ここでは、気軽におしゃべりを楽しみながら、地域のつながりを深めることができます。認知症の人でも安心して訪れることのできる場所として運営しており、誰もが気軽に参加できるように配慮しています。
また、詐欺対策や防災、熱中症対策といった実用的なミニ講話を定期的に行い、参加者に役立つ情報をお届けしています。今後は、常連の人も新規の人も気軽に参加できるような場を作り、参加者が増えるように努めていきたいと考えています。
三戸中央病院
作業療法士 中村 眞人氏
★住民と家族の理解を広げ、 支え合う仕組みを作る
認知症が進行した際、多くの人が入院後、施設に入所する流れが一般的ですが、私はこの流れを変えたいという強い思いを抱いています。そのためには、地域の住民や家族の理解を深め、支え合う仕組みを作り上げることが不可欠だと感じています。
これからは、若い世代にも積極的に参加してもらい、地域全体で支える体制を整えていく方法を検討していきたいです。
交流会に参加した
沼澤 正笑(まさえ)さん
★オレンジカフェが大好きです
みんなと会話ができて楽しいし、新しい交流もあって良い場だと思います。認知症について理解を深め、みんなが支え合えるような町になれば良いなと思っています。
◆認知症について
○認知症とは
さまざまな原因により脳に変化がおこり、それまでできていたことができなくなり、生活に支障が出る状態をいいます。
○認知症がおきるしくみ
脳は、生きていくために必要なほとんどのはたらきをコントロールしています。なんらかの原因によって脳の神経ネットワークが傷つくと、そのネットワークが担っている役割をこなせなくなります。
オレンジカフェに関するお問い合せ先:
○三戸町地域包括支援センター
【電話】20-1153
○三戸町社会福祉協議会事務局
【電話】22-0262
○三戸中央病院(代表)
【電話】20-1131