くらし 謹賀新年

令和7年 元日
矢巾町長 高橋 昌造

あけましておめでとうございます。町民の皆さまにおかれましては、健やかで希望に満ちた輝かしい新年をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。そして、日頃の町勢発展に対するご支援とご協力に、心から感謝いたします。
昨年を振り返ると元日に能登半島地震が発生し、国内が大きな悲しみに包まれました。加えて9月には大雨洪水による甚大な被害も発生し、自然災害の猛威を痛感したところであり、改めて防災・減災、国土強靭化を強力に推進しなければならないと決意をいたしたところです。
本町では昨年4月から「みんなで築く躍動感あふれ幸せな未来へ進化するまち やはば」を掲げた第8次矢巾町総合計画が始まりました。「元気を発信し活力を呼び込むまちづくり」「誰一人取り残さない社会を目指すまちづくり」「豊かな環境を守り伝えるまちづくり」「まちの発展を支える持続可能な行財政運営」の4つを柱として、各種施策に取り組んでまいりました。
「元気を発信し活力を呼び込むまちづくり」では、地域産業の活性化や地域経済の好循環の構築などを掲げています。そのような中、県事業により二代目・徳田橋が3月に完成。利便性が向上したことで町内の活力につながるとともに、岩手医科大学附属病院へのアクセス性も向上し「命の道」として、将来にわたって県民の生命を助ける役割を果たすことが期待されます。
また、藤沢第2地区、田中地区、下花立地区の大規模宅地開発は順調に推移し、うち田中地区で行われた住宅祭では町内外から多くの方が来場されました。この地区に限らず、本町への移住、矢巾で暮らすことに対する関心の高さが表れたものであり、町のさらなる発展に関わる、新たな地域の誕生が待ち望まれます。
加えて「人」に注目しますと、各分野で本町をアピールしていただく「町応援アンバサダー」に、演歌歌手として活躍中の大江裕さん、本町出身で世界を舞台に活躍するレゲエアーティストのZENDAMANさんが就任しました。お二人は、10月19日、20日の2日間にわたり開催された町秋まつりに出演し、ステージイベントでは町内外から来場した多くの観客が詰めかけて盛り上がりをみせ、5年ぶりに実施した秋まつり名物の餅まきでも活躍されました。
6月には民間の方々が主体となり「さんなり や市」が矢幅駅前で初開催されました。町内でさまざまな活動をされる方々が創意工夫を凝らし、このような一大行事を築き上げたことは、町民お一人お一人の活力につながるものであり、ひいては町勢発展の基礎を築くものでもあります。
「誰一人取り残さない社会を目指すまちづくり」では、コミュニティの再構築を掲げ、その取り組みの一環として小学校区ごとに地域の皆さまの話し合いにより「地域カルテ」「地域づくり計画」の策定を進めています。活発に意見交換を行い地域の魅力や特性を掘り起こし、まとめ上げていく姿は非常に頼もしく、地域の皆さまが主役のコミュニティ活性化へ大いに期待が掛かります。
「豊かな環境を守り伝えるまちづくり」では、グリーントランスフォーメーション(GX)の取り組みとして、町地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の策定を予定しています。その一環として、町民と町内事業者を対象としたアンケート調査を実施。地球温暖化の防止に向けて、2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目標に、調査により得られた貴重な情報を基として、意義ある計画の策定を進めます。
「まちの発展を支える持続可能な行財政運営」では、令和5年12月に町住民総合ポータルアプリ「やはナビ!」リリースを皮切りに、2月に町ホームページ、4月には町防災ラジオ番組「やはラヂ!」、5月から広報紙「広報やはば」がそれぞれリニューアルしました。今後もこの4つの広報媒体を主軸にとして、この町に関わる全ての方へ必要な情報を伝えていきます。
今年は昭和30年に徳田村、煙山村、不動村の3村が合併して矢巾村が誕生してから70周年となります。節目の年であるとともに、この矢巾の先人、先輩方が築き上げてきた歴史を引継ぎ、新たな取り組みを進化させ、今後のさらなる町勢発展を期す重要な1年にもなります。
これからの町づくりには4つの大きな柱があり、それは「家族」「コミュニティ」「健康」「雇用、仕事ができる場」。中でも家族とコミュニティは、町民誰もが「ここに生まれて良かった」「ここの地域で育まれて良かった」と感じられるまちづくりに不可欠であり、少子高齢化対策の一番の根幹をなす要素でもあります。
町のコミュニティを取り巻く情勢を踏まえ「この地域を私たちの拠点にしたい」というような、熱き思いを持つ町民の皆さまお一人お一人の考えに寄り添い、皆さまのさまざまな活動を後押しすることにより、コミュニティの活性化へつなげてまいります。
そして、この町に関わる全ての皆さまと共創することにより、町を挙げた挑戦を進めたいと思います。
結びに、この一年が皆さまにとってすばらしい年になることを祈念し、年頭のあいさつといたします。