くらし 古今東西 郡(ぐん)郡(ぐん)行きます! 第64回

郡市長がさまざまな現場を訪問し市民の皆さまの活動の様子などをお伝えします

■第64回 量り売りマルシェ仙台編
持続可能な社会を目指し、プラスチックごみや食品ロスの削減に取り組む「量り売りマルシェ仙台」を訪問しました。

○共感から広がる輪
「必要なものを必要な分だけ」をテーマに毎月開催されている「量り売りマルシェ仙台」。この日は、北洲ハウジング寺岡展示場を会場に、総菜や菓子、花などのお店が12店舗出店し、にぎわいをみせていました。
「このマルシェを始めたきっかけは、ハムを1枚から買える仕組みを作りたいと思ったことでした」と教えてくれたのは、ハムやベーコンを製造する有限会社ジャンボン・メゾン代表取締役の髙﨑かおりさん。パッケージが商品開封後すぐに捨てられることにも問題意識を持っていたそう。その思いに、髙﨑さんの商品開発を支援していた料理教室「紫山のごはん会」代表の佐藤千夏(ちか)さん、商談会を通じて知り合ったPLANNING(プランニング)LABORATORY(ラボラトリー)主宰の渡辺沙百理さんが賛同。ごみが出ないようお客さんに容器を持参してもらい、令和元年6月、佐藤さんのキッチンスタジオで「量り売りマルシェ」をスタートさせました。令和5年6月からは、会場を北洲ハウジングの住宅展示場に移します。株式会社北洲の山家史子(やんべあやこ)さんは「マルシェの活動が、永く暮らせる持続可能な家づくりという当社のコンセプトに通じると感じ、場所の提供を始めました」と話します。福島市や宇都宮市などの展示場も活用し、県外にも活動の場が広がっているそう。佐藤さんと渡辺さんは「ここまで各地に共感してくださる方が増えるとは、当初は想像できませんでした」と驚きを口にします。この日来場していたお客さんも容器を片手に買い物を楽しんでおり、このマルシェの理念がしっかりと理解されていることを感じました。環境に対する意識への共感からつながりが生まれ、広がっていく。これからの社会のためにも素晴らしい取り組みですね。

○暮らしの豊かさを次世代へ
量り売りは、生活の中での思考や判断にも良い影響があるといいます。渡辺さんは「私自身、元々環境への意識が高かったわけではないのですが、活動を通して購入の目的や本当に必要な量を考えるようになりました。来てくださった方にとっても、暮らしや行動を見つめ直すきっかけになってくれたらうれしいです」と期待を込めます。
この取り組みを通じて、次の世代により良い環境を引き継いでいきたいという皆さん。会場では、親子で来て子どもと一緒にマルシェを楽しむ姿も見られました。髙﨑さんは「かつては日常的だった量り売りも、若い方にとっては斬新なようです。この魅力を多くの方に伝え、次世代にバトンをつなげられたら」と未来を見据えます。佐藤さんも「量り売りは今後新しい経済活動になっていくと確信しています。この仕組みが一般的になるまで続けていきたい」と力強く語ってくれました。

○持続可能な社会を目指して
環境問題だけではなく、暮らしの豊かさについても考えさせられる取り組みに、深く感銘を受けました。また、皆さんが「新たな時代を切り開いていく」という思いで生き生きと活躍されている姿を大変心強く思います。
資源循環都市づくりを進める本市としても、持続可能なまちの実現に向けて今後も取り組んでまいります。