- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県角田市
- 広報紙名 : 広報かくだ 令和7年9月号
『人とつながる 地域とつながる』
地域づくりコーディネーター 書家
沖澤 鈴夏(おきざわ すずか)さん(31歳)
「角田は、田園風景がとてもきれい。空が広い。帰宅途中の田んぼが広がる風景が気に入っている」と話す、北郷地区在住の沖澤鈴夏さん。
県南地域を中心に、さまざまな立場や世代をつなぐ地域づくりコーディネーターとして活動しています。
北海道生まれ、千葉県育ちの沖澤さんが宮城県に住むきっかけとなったのは、東日本大震災でした。当時は高校1年で千葉県在住。液状化現象による断水などの被害で、ホテルでの避難生活を送る友人の姿に「ひとごとではない、何かできることはないか」と考え始めました。大学3年の春、被災地ボランティアで、南三陸町歌津地区のワカメ漁師宅に2週間ホームステイをしました。漁師の自宅は津波で全壊したものの、明るく前向きな姿に逆にパワーをもらったそうです。「小さな集落が少しでも元気になったらいいな」という漁師の一言が印象的で、今の活動の原点となりました。そこでの出会いや経験が現在につながっていると沖澤さんは話します。
大学卒業後いくつかの仕事を経験し、平成30年から県内で地域を後方支援する業務に携わるようになりました。特に印象に残っているのは、丸森町大張地区の沢尻棚田。名所でありながらあまり知られていない状況を打開すべく、活用方法を地域と話し合い、近くの東屋(あずまや)に交換ノートを置いたり、写真コンテストを開催したり、無理せずゆるく続けられることを意識して活動を始めました。その結果、SNSなどで知名度が徐々に広まり見学者が増え、地域もそれが励みになり現在も活動が続いています。
活動当初は、地域に出向いても意見があまり出ないことが多かったそうですが、自分のことを知ってもらい、信頼関係が築き上げられていくうちに、今では意見が飛び交うようになり、地域に認められたと実感するそうです。
また、沖澤さんは書家としても活動しています。地域づくりと書道を掛け合わせたワークショップや書道教室、昨年は個展も開催しました。書道展に出品し入選した作品の展示予定もあるそうです。作品を制作する時「人の心が動く作品」を意識していて、最近は海や山に行き、その土地の空気に触れ、感じたことを文字にしています。市内でも活動の場を広げたいと意欲を見せています。
現在、角田市の市民活動支援センター(まちづくり推進課内)の運営支援の業務に携わっています。「まずやってみる!現場に行ってみる!」をモットーに、直接地域をまわり、情報収集し、地域のニーズを「つなぐ」ことに力を入れたいと意気込みを語っています。
さまざまな肩書を持つ沖澤さんの今後の活動に注目が集まります。
・座右の銘「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」
「目的に向かってわき目も振らず進んで行く」という意味。地域づくりの活動も書家としての活動も両立していきたいという力強い意気込みが字からも感じられます。
・今月号の広報かくだ表紙の題字を書いていただきましたので、ご覧ください。
市民活動支援センターでは、市民活動に関する相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。
問い合わせ:まちづくり推進課
(【電話】63-2112)