くらし [特集]新春対談 ~シニアの力で広がる地域の活力と未来~

・市長:佐藤淳一
・会長:青柳信治さん
・副会長:田口隆康さん
懇親会部・お茶会部・道路清掃部担当、いわぬまPR大使 田口隆祐選手の父
・副会長:土屋ハツ子さん
見守り訪問部担当
・幹事長:会田公夫さん
グラウンドゴルフ部担当

■三色吉(みいろよし)シニア倶楽部×市長 シニアの力で広がる地域の活力と未来
第11回健康寿命をのばそう!アワード(※)(介護予防・高齢者生活支援分野)で、一人暮らしの認知症の方の見守り活動やごみ出し支援などが評価され、令和4年に厚生労働大臣最優秀賞を受賞した三色吉シニア倶楽部。地域のために元気に活動する同倶楽部の皆さんと、日々の活動、子どもへの思い、倶楽部と市のこれからについて語りました。

※健やかで心豊かに生活できる社会の実現を目指し、介護予防や高齢者の生活支援に関して優れた取り組みを行っている団体を厚生労働省が表彰する制度。

◇まずは楽しく
市長:三色吉シニア倶楽部を結成したきっかけを教えてください。

青柳:民生委員から、困りごとを抱えているご高齢の方が増えていると聞き、元気なシニアが困っているシニアの手助けをしようと思ったのがきっかけです。倶楽部のモットーは「まずは楽しく」です。普段は認知症の方の見守りや健康増進活動など多くの活動を行っていますが、皆さん自分がやってみたい活動に無理なく参加されています。

市長:さまざまな活動の中で印象に残っている活動はありますか。

会田:私はグラウンドゴルフ部を担当しています。グラウンドゴルフは、倶楽部の設立当初から行っています。ルールも簡単で年齢関係なくできて、他の町内会の方とも交流できる楽しい活動です。いずれは子どもたちとも一緒に活動したいと思っています。

田口:年3回の懇親会は、普段顔を合わせることが少ない方とコミュニケーションを取ることが1番の目的です。あまり活動に参加できない方にも参加いただき、とても楽しかったと皆さん喜んでもらっています。

市長:昔は各地域でいろいろな団体がありましたが、現在は会員が少なくなってきています。他の団体と違うと思うところはどういうところですか。

青柳:みんなで新たに立ち上げた倶楽部なので、自分たちで育んできた活動を楽しくやれていること、活動割合の半分が社会貢献ボランティア活動なのが一番の違いかなと思います。やりたいことが次から次へと増え、現在16の活動があります。

市長:既存の団体ではなく新しく同年代の人たちと立ち上げたということが大きな違いなのですね。まずは楽しく、無理なくということが大切ですね。倶楽部では認知症の方の見守りも行っているとお聞きしました。

土屋:地域包括支援センターと連携し、見守りチームを組んで週に1回見守り活動を行っています。一緒に水分補給をしたり、楽しく会話をしたりしながら様子を見ています。いつも訪問を待ってくれていて、喜ぶ顔を見ると私も元気をもらいます。
見守りの記録をグループLINEを使って見守りチームメンバーと訪問結果を共有しています。

市長:行政だけでは限界があるところを皆さんのサポートで、サービスをより充実させることにつながっているので、本当にありがたいことです。

◇子どもは宝
市長:倶楽部ではご高齢の方の見守り活動や子ども会支援まで幅広く活動していますが、子どもとの交流で感じることはありますか。

青柳:子どもと交流すると元気をもらえます。子どもは地域の宝、岩沼の宝だと感じます。いろいろな活動の中で、見守りなど子どもたちを支援できるものがあれば取り組んでいきたいと思っています。

土屋:1人で歩いている子どもに声を掛けるか迷うことがあります。不審者と思われるのではないかと、声を掛けることに勇気がいります。

市長:私は声を掛けるようにしていますので、積極的に声を掛けてほしいと思います。あいさつをするのが駄目な世の中にしてはいけないなと思います。

会田:最近は不審者が出ることが多くなってきているので、「子ども110番の家(※)」がもっと増えていくといいですね。

市長:地域全体で子どもを見守っていくことが大切ですね。

※子どもたちを犯罪から守るための緊急避難所。

◇全世代が安心して暮らせるまちへ
市長:令和7年の目標を教えてください。

青柳:昨年5月から、見守り訪問先の方を1人ずつ招待して、お茶会を始めました。
昨年11月からは、もっと多くの三色吉のシニア世代に来てもらおうと、対象を拡大しました。家に閉じこもりがちな方に来ていただき、楽しく、元気になってもらうことを目的としています。この活動が認知症予防やフレイル予防にもつながって、まちが元気になってほしいと思います。また、今年4月から地域交流会を始めます。
子どもからご高齢の方までみんなで集い楽しめるお茶会、カフェにできたらと思っています。

市長:市では、人口増加を目指し、子育て支援や教育の充実に取り組んでいます。高齢者福祉サービスを削って子育て支援に回しているのではないかという声もありますが、実際はそうではなくて、私が市長になってから、シニアの皆さんの予算は毎年他の事業よりも多く割り当てています。子育て支援を充実させて子育て世代を呼び込み、人口を増やすことで税収を維持し、これからもシニア世代の皆さんに必要なサービスを提供することができると考えています。厳しい財政状況の中で、本当に必要なサービスを継続するために、時代に合わせた見直しをしていますが、岩沼市は高齢者福祉を手厚く行っています。市民の皆さんに理解していただけるよう、しっかり説明していきたいと思います。
住民が主体となって地域で見守り支え合う活動に取り組んでいる三色吉シニア倶楽部のように、市民の皆さんのご協力をいただきながら、多くの方に住みたいと思っていただけるまちづくりを進めていきます。
本日はありがとうございました。