- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県栗原市
- 広報紙名 : 広報くりはら 令和7年4月号
(236) 文字甚句
文字甚句は、栗駒地区文字の郷土芸能で、昭和10年(1935年)頃から盛んになった民謡です。
文字には、秋田との重要なルートである羽後岐街道が通っており、藩政時代より物資の交易や、文化交流が盛んに行われていました。昭和元年頃、秋田から芸達者な人物が文字にやって来て、多くの若者が歌や踊りを教わりました。その中の一人で、特に熱心に芸域を広めた菅原信一氏が作ったのが、文字甚句です。
甚句とは、江戸時代末期の頃から流行したといわれる民謡のひとつで、その起源は、宝永〜享保年間(1704〜1736年)の頃から流行した「甚九郎節」に由来するという説や「地の句」がなまったもの、神に捧げる歌舞の意味を持つ「神供」の当て字であるとする説などが知られていますが、定説はありません。
また、歌詞は、七・七・七・五、または、五・七・七・七・五の音数からなるリズミカルなもので、盆踊り唄や酒盛り唄として地域の祭りで多く用いられています。
文字甚句は、小太鼓や笛、鉦のにぎやかなはやしに乗せて、明るい調子で文字の風景を歌います。そして、その歌に合わせて、そろいの着物に襷を掛け、モンペに脚半、足袋を身に付けた伝統的な田植え姿の女性たちが踊ります。さまざまなイベントで披露される文字甚句は、郷土民謡として広く親しまれています。
種別:市指定無形民俗文化財
指定日:平成元年9月8日
保持団体:文字甚句保存会
問合せ:教育部文化財保護課
【電話】42-3515