健康 いつまでも、この歯と一緒に
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- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県大崎市
- 広報紙名 : 広報おおさき 2025年6月号
「噛む」「飲み込む」「話す」などの口腔(こうこう)機能のどれもが、私たちの生活に欠かせません。歯と口の健康は、全身の健康とも密接に関係しています。
6月4日(水)~10日(火)は「歯と口の健康週間」です。この機会に、歯と口の健康について、考えてみませんか。
■あなたは大丈夫?口腔機能の衰え
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの感染症の流行により、長期間マスク着用の生活をしていた人も多いのではないでしょうか。長引くマスク生活で生じる口腔機能の衰えが問題になっています。
マスクを着用した際の息苦しさを解消しようと口で呼吸することで、口の中が乾燥し、口腔内を清潔に保つ機能を果たす唾液が減少します。その結果、菌が増殖し、虫歯や歯周病になりやすくなります。
また、常に口で呼吸していると、口の周りの筋肉が衰え、硬いものが噛みにくい、発音が不明瞭になる、フェイスラインがたるむなどの弊害も出てきます。これらは近年、高齢者だけではなく、子どもにも多く見られるようになりました。
■歯と口の健康を取り巻く現状
市では、幼児期の虫歯は減少傾向にあるものの、学童期から成人期までの虫歯や歯周病の割合は全国と比較して高い状況にあります。
令和6年度の大崎市学校歯科健診結果によると、12歳児の永久歯の平均虫歯本数は0.7本で、全国の0.6本と大きく変わらないのに対して、12歳児の歯肉の状態に異常が認められた割合は6.7パーセントと、全国の2倍以上でした(図1参照)。夕食後に間食をすることや食後の歯磨きをしないことなどが、要因として考えられます。
学童期からの歯肉炎は歯周病に移行しやすく、歯周病になった場合は、成人期で歯を失うことにもなりかねません。歯を失うことは「オーラルフレイル」の原因となるほか、誤嚥(ごえん)性肺炎や心臓疾患、脳梗塞、糖尿病など、全身に影響を及ぼすことが明らかになっています。
・誤嚥性肺炎
・狭心症・心筋梗塞
・関節リウマチ
・糖尿病
・早産・低体重児出産
・脳梗塞
・細菌性心内膜炎
■「オーラルフレイル」って?
オーラルフレイルは、“口腔機能の虚弱”つまり、「口腔機能の衰え」のことです。加齢によって、口の機能が低下し、食べることや話すことが困難になった状態をいいます。
チェックリストの中で該当する症状はありませんか。該当する症状があった場合は、オーラルフレイルの可能性があります。むせる、食べこぼすなどの小さな衰えが、食欲の低下や栄養摂取量の減少を招き、心身機能の低下につながる「負の連鎖」となります。
一方で、日頃から予防を意識した行動をとることで、口腔機能の維持・改善が期待できます。
▽「オーラルフレイル」 チェックリスト
・むせる、食べこぼす
・食欲がなく、少ししか食べない
・柔らかいものばかり食べる
・滑舌が悪い、舌が回らない
・口が乾く、口臭が気になる
・歯が少ない、顎の力が弱い
■今日から実践 オーラルフレイル対策
正しく丁寧に歯磨きをすることで、虫歯や歯周病を予防することができます。また、口を動かしたり、唾液腺を刺激するマッサージをしたりすることも効果的です。
さらに、噛む力と飲み込む力を強化するため、食事の際にはよく噛んで食べることを意識しましょう。
■知っていますか?「噛(か)ミング30(さんまる)」
「噛ミング30」とは、一口につき30回噛んで食べることで、健康な生活を目指す、厚生労働省が提唱している運動です。噛むことはオーラルフレイルの対策だけではなく、自身の健康維持にとって、次のような効果があります。
・幸せホルモン(セロトニン)が分泌され、ストレスを緩和
・脳への血流量が増加し、脳を刺激することで、
・認知症を予防
・満腹中枢を刺激し、食べすぎによる肥満を予防
・唾液の量が増加し、虫歯を予防 など
▽食事に「カミカミメニュー」を
市では、脳の活性化や肥満予防、虫歯予防などのため、日々の食事に噛み応えのあるメニューを取り入れられるよう、「カミカミレシピ」を作成しています。レシピは市ウェブサイトで閲覧できます。
生涯、自分の歯でおいしく食事をし、健康な生活を送れるよう、「よく噛んで食べる」を習慣化してみませんか。
■まずは歯と口の健康から
歯と口の健康を保ち、病気になるリスクを軽減するためには、歯磨きや食生活などの自分で行うケアに加えて、歯科医院で行う専門的なケアが重要です。また、入れ歯であっても、噛むことが健康づくりには欠かせません。かかりつけの歯科医院を持ち、定期的な歯のクリーニングや入れ歯のメンテナンスを行いましょう。
市では、大崎市成人歯科健康診査を実施しています(13ページを参照)。健診を活用して、自分では気付かない口腔のトラブルを早期に発見し、歯から始まる全身の健康づくりに努めましょう。
問合せ:健康推進課健康増進担当
【電話】23-2215