文化 ふるさとタイムマシン vol.112

■南郷・三ツ屋地区の百万遍念仏講(山内地域)
平成元年(1989年)

上の写真は、平成元年に行われた南郷・三ツ屋地区の『百万遍念仏講(ひゃくまんべんねんぶつこう)』の様子です。200年ほど前から続いている行事とされ、タラの木で作られた約10メートルの大きな数珠(じゅず)をたぐり寄せながら、「南無阿弥陀仏(ナンマイダ)」と念仏を繰り返し唱え、1年の無病息災や家内安全などを祈ります。輪の中に座る長老役が打つ鐘の音に合わせ、数珠が1周するごとに1万回唱えたとみなし、地区の3カ所で合わせて100周回します。
まだ記憶に新しいコロナ禍においても、「共に祈ろう」と疫病退散(えきびょうたいさん)を願い、数珠を回したそうです。自然災害や戦争など、人々に不安や孤独をもたらす現代において、このような伝統行事は、苦境を乗り越えるための心の支えとなっています。

・今年は1月13日に行われ、約20人の参加者の念仏が響き渡りました