- 発行日 :
- 自治体名 : 秋田県横手市
- 広報紙名 : 市報よこて 令和7年3月号
横手市長 高橋大
各地域の雪まつりが終わり、春に向かっていることを実感します。横手の雪まつり『かまくら』は例年2月15・16日に開催していますが、「この時期以外でもかまくらを楽しみたい」、「かまくら館にもあるが本番同様の雰囲気を楽しみたい」という、多くの声が寄せられていました。国内外からの観光客が全国で増加している中で、横手市への誘客を増やしたいという思いがあり、今年初めて雪まつり期間以外にかまくらを楽しんでもらう事業を行いました。
国の登録有形文化財『旧片野家住宅』の敷地に2基のかまくらを作り、ツアーを誘致し、台湾や九州などから200人を超えるお客様をお迎えしました。積雪のない地域の方々にとって、いかに雪が魅力的で貴重なものかを再確認した次第です。
先人が作り、残した伝統行事を後世につなぐため、これからも時代に合わせた挑戦に取り組んでいきます。
さて、羽黒町の旧片野家住宅は、横手町長を務めた片野重脩(かたのしげなが)の住まいでした。重脩は町長を辞した後、秋田県議会議員や衆議院議員となりました。政界引退後は農林や金融、交通運輸の実業界で活躍しました。また文化人としても知られ、郷土史研究の支援や『宕峰(とうほう)』と号する書家でもありました。横手公園二の丸にある『伊藤源之助先生頌徳碑(しょうとくひ)』の題字は重脩の筆跡です。横手公園を訪れた際に立ち寄ってはいかがでしょうか。
片野重脩…横手在住の武士の家系に生まれる。横手公園内に重脩の徳をたたえた碑がある。1978年、87歳で死去。