くらし 横手市市制施行20周年記念全力!対談(2)

■それぞれの価値観は違う
市長:横手市は9月6・7日の2日間、横手駅周辺を会場に市制施行20周年記念イベント『全力!よこて祭り』を開催します。優さんが仰った『塗り替える者とこれまでを大事にする者の共存』は、横手市のこれからの活力で、まさしくこのイベントのサブテーマ『伝統と革新のコラボレーション』につながります。合理性を追求するスマートな時代にありながらも、泥臭く、汗臭く全力で立ち向かうさまざまな世代、多様な価値を持った人間がこのイベントでコラボレーションした結果、市民が前向きで「明日はいい日にするんだ」と思える横手市にしたいと思っています。そしてイベントのフィナーレには、優さんの『明日はきっといい日になる』を市民で大合唱したいと思っています。
高橋優:ありがとうございます!大合唱ですか!うれしいです。
市長:私はこの歌が大好きで、優しい歌だなと思っています。『きっと』という言葉が、いい日になることを押し付けず、前向きな気持ちにしてくれる。そういう優しさで包み込んでくれると感じています。この曲に込めている思いを教えていただけますか?
高橋優:楽曲を聴いていただき、ありがとうございます。仰る通り、押し付けの意味にはしたくないと思っています。人それぞれ価値観が違うので、花が咲いてうれしいとか、やろうと決めたことができて良かったとか、些細(ささい)なことでいいと思っています。ただ、自分の『いい日』というのを具体的に想像してほしいというのは強く願っています。『自分にとってのいい日』を想像せずに『誰かが言っているいい日』だけを押し付けられていることが一番怖いです。
市長:なるほど。
高橋優:「あなたにとっていい日になればそれでいいじゃないですか」と思ってしまうんです。
市長:この曲に込められたメッセージに勇気をもらって、前向きになれる方もたくさんいると思います。
高橋優:うれしいです。

■帰ってくるとここが自分のルーツだと感じます
市長:ふるさとは優さんにとってどのような存在ですか?
高橋優:ライブツアーとして、4月25・26日と、秋田市の『あきた芸術劇場ミルハス』で二日間ライブをやらせていただきました。ふるさとは歌うのに一番緊張する場所です。まるで学校の授業参観のように、家族や身内から見られているみたいなピリッとした気持ちになるんです。だから、ステージに立つまですごくドキドキするんです。ただ、歌っていく中で一番泣きそうになるのも、終わった後にここに生まれて良かったと思うのも、やっぱり地元秋田ですね。どこの地域も魅力的なんです。でも帰ってくると、ここが自分のルーツだと感じます。時々、地元の問題ばかり目に付くことがあります。人口がどんどん減っているとか。
市長:ネガティブなニュースは気になりますよね。
高橋優:それでもやっぱり僕にとって、ふるさとは秋田。何があっても帰ってきたい場所です。
市長:愛ですね。
高橋優:愛です(笑)。
市長:だから、聴き手はそこまで強い思いがある人の歌を聴きたいと思うのでしょう。育ててくれた地域に愛着を持っている優さんの歌を聴きたいし、それを浴びて「自分も前向きに生きていきたい」、「自分も今悩みはあるけれど払拭したい」など、いろいろな方が前に進むきっかけを優さんの音楽からもらっているんだと思います。
高橋優:ありがたい言葉をいただき、大変うれしいです。
市長:優さんは全国に多くのファンがいらっしゃいます。当市も市外に住む方を対象に『よこてfun(ファン)通信』という情報紙を発行し、横手のファンと愛を深めていきたいと思っています。
高橋優:先日、東京都の二子玉川で横手市の物産展をやっているのを見かけました。友達も「大阪で横手の物産展をやってたよ」と連絡をくれました。ふるさとの物産展を見たり、話題を聞いたりするとうれしいです。この『よこてfun通信』も物産展で読めるようにして、横手の情報を発信するのはどうでしょう?
市長:いいですね。それはすぐに対応します。優さんも『よこてfun通信』をご好読(こうどく)いただけますか?
高橋優:はい、横手の情報、楽しみです。
市長:優さん、これからも魂のこもった歌を楽しみにしています。今後も大活躍を心より祈念申し上げます。本日はありがとうございました。
高橋優:こちらこそ、ありがとうございました。
※よこてfun通信は、市外在住の方が対象の情報紙です。市内在住の方はお申し込みできません。