くらし 公共施設の未来を考える(2)

■改修や建て替えに必要な費用は
現在、市が保有している全ての公共施設をこのまま存続させると仮定し、施設の大規模改修や建て替えに必要な費用の試算では、今後40年間で約1,002億円、1年当たりに換算すると約25億円になります。
一方で、過去5年間において施設の大規模改修や建て替えに充てた費用は、1年当たり約9億円程度であり、改修などに必要な費用に大幅な不足が生じる状況にあります。今後、適切な維持管理を行い、施設の長寿命化を図りながら長く活用したとしても、大規模改修や建て替え費用に係る経費は1年当たり約16億円不足することになり、その費用を公共施設の延床面積に置き換えると、全体の約40%削減しなければなりません。

▽大規模改修・建て替え費用の推計
※建築後30年で大規模改修、建築後60年で建て替えするとして試算

参考:行政経営推進室調べ

■今後の公共施設のあり方は?
・公共サービス機能を維持する方策を随時検討し、有効策を取り入れていく一方で、施設の状態や利用状況などから優先度を見極め、統廃合していくことで、保有施設総量の縮減を目指します。

・今後も活用していく施設については、役割や機能、特性に合わせた対策方法や営繕計画を決定し、重大な損壊を防ぐ予防的修繕を適切に実施していくことで長寿命化を図り、大規模改修や建て替えの実施時期を分散します。また、施設の環境だけでなく、利用者の満足度を高める取り組みも進めます。

・行政が管理し続けるより民間に任せる方が、コストやサービスを維持していく上でも有益な場合には、民間ノウハウを取り入れ、施設の維持管理を指定管理者制度に移行するなど、民間活力を導入して効率化を図ります。

・老朽化により建て替えを必要とする施設については、他の役割や機能の施設との複合化を進めます。また、将来世代に大きな負担にならないよう、施設の規模を見直します。

・利活用の見込みの無い遊休資産については、賃貸、売却などを積極的に進め、優先度の高い施設の建て替えなどの費用に充てます。

全ての公共施設を維持していくことは困難です。仮に全ての公共施設を将来に渡って残すとした場合、市の他のサービスの縮小や廃止など市民生活へ大きな影響をもたらします。そのため、限られた財源で効率的に維持管理を行い、有効活用していくことが大切であるとともに、将来に渡って必要な施設のあり方を見直すことが重要です。
市民の皆さん一人一人が現状を理解し、「将来のまちのあるべき姿」を考え、時代のニーズを把握した上で、公共施設全体をどのようにしていくかという意識を持つことが大切です。

問合せ:行政経営推進室
【電話】30-0617