健康 お口の健康が循環器病を防ぐ!

広報7月号に引き続き、町と協働で循環器病対策に取り組んでいる近畿大学医学部公衆衛生学教室から「お口の健康が循環器病を防ぐ!」というテーマで情報提供していただきました。

~歯磨きのタイミングについて~
《令和6年度井川町日常生活についてのおたずねより》

◆歯磨きのタイミングの傾向
歯磨きを全くしていない人がいなかった一方でそのタイミングには、ばらつきが見られました
どの年代も朝食後は6割以上の人が歯を磨いていました。就寝前は特に20~64歳では7割近い人が歯を磨いていましたが、年代が上がるほど割合が低くなっていました。
一方、起床後(朝食前)、昼食後、夕食後に歯を磨く人は、全年代を通じて17~39%と低い傾向でした。

◇食後のみならず起床後と就寝前のケアも大切です!
起床後は口の中の細菌が多くなっています。歯磨きせずに朝食をとると、細菌も一緒に体に入ってしまうことがあるため、食後の歯磨きに加えて、起床後・就寝前にうがいをするだけでも予防効果があります。

◆お口の健康は全身の健康とつながっています
お口の中の細菌が増えると、単にむし歯や歯周病にかかりやすくなるだけではありません。歯周病菌などの細菌は全身に影響を与えることが分かっており、特に循環器の病気とは関係が深いといわれています。
歯磨きでお口の細菌を減らすことは、脳や心臓の血管を守ることにもつながっています!

◇脳梗塞などの脳卒中
歯周病菌に対する抗体が心房細動を引き起こしやすく、脳卒中の要因になると考えられています。

◇心筋梗塞などの心臓の病気
歯周病菌や炎症で血管が傷つくことで、動脈硬化が起こりやすくなり、心筋梗塞などの要因になると考えられています。

◆町の循環器病対策に携わっていただいている今野先生からのメッセージ
井川町は60年以上にわたり、循環器健診を通じて、脳卒中や心臓病といった循環器疾患の予防対策に取り組んできました。脳卒中にかかる人が大きく減ったことは特筆すべきことです。一方で、井川町での歯科検診受診率は低い状況にあります。毎日の歯みがきに加えて、定期的な歯科検診を受け、「お口の健康」を守ることは、循環器疾患の予防の一環としてとても大切です。
より多くの方に住民健診、歯科検診を受けていただき、循環器疾患対策に関心を持っていただけるよう、今後も町と一緒に取り組んで行きたいと思います。
近畿大学医学部 公衆衛生学教室 今野弘規主任教授

9月17日から住民健診がスタートします!健康で豊かな生活を送るためには口腔を含めた全身の健康管理が大切になります。年に1回の受診をこころがけましょう!