- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県山形市
- 広報紙名 : 広報やまがた 令和7年4月1日号
▼長寿のための食事
山形市保健所 山下英俊
日本人は長寿といわれます。令和5(2023)年の厚労省の簡易生命表によりますと、男性は81・09歳、女性は87・14歳です。女性は世界一、男性もトップクラスです。このように日本は世界でも長寿国ですが、最初から長寿であったのではありません。昭和25(1950)年の平均寿命は男性59・57歳、女性62・97歳で、世界でもまだまだ短い方でした。国民の努力、医療界の努力と医学の進歩、政府・自治体の制度の充実と公的な施策などもあって、1960年代には欧米の国々に追い付き、1980年代後半には男女とも世界のトップクラスとなりました。平成12(2000)年には男性77・72歳、女性84・60歳となりました。
このような目覚ましい寿命の延伸は右記のようにいろいろな活動の成果ですが、その中でも生活環境の改善、食生活の改善は大きな効果があったと考えられています。すなわち、健康を保つための食事としては、朝昼晩の3食を炭水化物、たんぱく質、脂質、食物繊維やビタミンなどをバランスよく取ること、そのためには特定の食品のみを食事で取るのではなく、いろんな種類の食品を取ることが良いといわれます。
長寿の高齢者はお肉を食べているとの報告もあります(長寿科学振興財団健康長寿ネットホームページ)。高齢者は低栄養になり、感染症への抵抗性が低下することは知られています。高齢者でお肉を食べることはとてもいいことです。ただ、お肉だけを食べるのではなく、バランスよくいろいろな栄養素を取ることが大切です。また、高齢者はいろいろな疾患を持っていることもあります。例えば、年齢とともに腎臓の機能が低下する方がいます。お肉をたくさん食べるとたんぱく質摂取が多くなり、腎臓に負担がかかります。ご自分の体調に合わせたバランスよい食事を考えるには、かかりつけのお医者さんに相談することもいいことですのでお勧めします。