くらし 特集 次世代につなぐ、チャレンジの3年間(2)

■若者・子育て世帯・高齢者―それぞれに必要な取り組みを
3つの目標で抑える人口減少

活気ある元気な朝日町を次世代に継承させるため、総合戦略を構成する3つの基本目標のもと各施策に取り組んでいきます。

◆基本目標1の課題
「しごと」の創出・魅力発信
若者たちが集まる町を目指すために重要なのは、いかに「戻ってもらうか」「選んでもらうか」です。仕事の確保は定住にもつながるため、町内における仕事の魅力発信や新たな仕事の創出は若者のUターン促進と転出の抑制に効果を与えると考えられます。
このほか、町の基幹産業である農業については樹園地の継承、観光については道の駅から各観光施設への観光客誘導、交通に関しては通勤・通学にかかるバスの運行など、さまざまな分野において課題があります。

▽基本目標1
若者たちの地元定着と交流・移住の促進を図る

1.「しごと」の魅力の発信・新たな「しごと」の創出
・町での就農促進
後継者や受け手がいない農業者が事前に樹園地などの情報を登録し、成木園を求める農業者とマッチングさせる「伐採せずにつなぐ樹園地継承」の仕組みを構築する。
・町の商工業への就職促進・稼げる観光の実現
地域商社の役割を担う観光交流3施設の運営会社「株式会社朝日町総合産業開発」による町特産品のPR・販路拡大を図り、町の商工業の質・収益性の向上を目指す。また、同社の立ち上げにより地元の商店との連携を強化し、観光での町内周遊につなげる。

2.若者が住み続けられる「まち」の創生
・町内の空き家を有効活用し、住宅として提供
・ニーズに対応した住環境を整備
・交通の負担を軽減
山形・朝日間の往復運行など、土日の公共交通の実施に向けた調整を行う。
・若者の集まる場を設ける
・便利な窓口の推進
住民票をはじめとする各種証明書のコンビニ交付の導入を推進する。

3.町の未来を信じ、活動する「ひと」を醸成
・町を愛する気持ちの育成とその維持を図る
・将来のまちづくりを担う人材・組織の育成と確保を図る
・町の特色を生かした教育を実施
義務教育学校について、ふるさと学習・郷土教育を柱とするほか、地域・社会と連携し「社会に開かれた学校」といった特色を出せるよう開校準備を進める。
・若者たちの地元定着・移住を促進
地区の人口維持のためにも、新たな定住者を求める場合の居住地として空き家を推奨するなど、地域の受入れ体制・仕組みを整える。

◆基本目標2の課題
仕事と両立できる子育て
平成27~29年までの町の出生者数は1年あたり平均して34人。その後、コロナ禍を境に激減し、令和5年は合計16人でした。また、近年は町内に実家がない移住者や核家族が増えていることから、仕事と子育ての両立に関する要望が高まっています。
そのほか、ライフスタイルの変化に伴い出会いの場が減少していることもあり、20代後半から30代の未婚率が急激に上昇しています。

▽基本目標2
結婚に対する意識を醸成し、出産・子育てのしやすい環境を整える

1.結婚・出産・子育てと「しごと」との両立
・仕事と子育てとの両立を支援する施設を充実
-米飯付きの給食提供を無償化し、保護者の負担軽減を図る。
-保育園および放課後児童クラブの待機児童数各年度0名を目指す。
・子育てしやすい職場環境の整備を促進
・仕事の収益性を高め経済的な不安を解消

2.結婚に向けた「ひと」との出会いを創出
出産・子育てに携わる「ひと」の不安・負担を軽減
・結婚に向けた「ひと」との出会いを創出
・出産・子育ての不安・負担を軽減
・子育てについての意識啓発を図る

3.子育てをしやすい「まち」の創生
・子どもの居場所をつくる
・教育と連動した子育て環境を整備する

◆基本目標3の課題
いきいきと住める環境の整備
高齢化率は上昇傾向にあり、全国的にも令和20年には3人に1人が65歳以上となることが予想されます。朝日町でも、周囲の助けがないと生活が困難な世帯もあることが現状です。
町の高齢化が進むことで、地域住民の共助の体制が成り立たなくなり、高齢や障がいにより買い物や食器洗い、ゴミ出し、除雪などといった日常生活において支障が出ることが想定されます。

▽基本目標3
高齢者や障がい者がいきいきと住み続けることのできる環境を整える

1.高齢者や障がい者が生きがいをもって取り組める「しごと」を創生
・高齢者や障がい者の仕事づくりを支援

2.いつまでも健康で元気な「ひと」を創生
・いつまでも健康で元気な高齢者の増加を図る
「みんなの居場所すぽっと」を、高齢者をはじめとする町民の不安の解消や心身の健康づくりを支える拠点として活用し、誰もが気軽に集える居場所づくりを展開する。

すぽっとは、平日 午前10時~午後3時30分まで開館しています
(金曜日は午後5時まで)

3.高齢者や障がい者がいつまでもいきいきと住み続けることのできる「まち」を創生
・冬期間もいきいきと暮らしていける仕組みを整備
・高齢者や障がい者の足を確保
・高齢者や障がい者の日常生活を支援する体制を充実
-ゴミ出し困難世帯の個別回収を実施する。
-電子機器の使い方について日常的に相談できる体制を整備する。