- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県庄内町
- 広報紙名 : 広報しょうない 2025年11月号
■視点を変える
新庄酒田道路の早期完成を目指す地域連携フォーラムは、庄内町、戸沢村を会場に毎年交互に行われていますが、今年は戸沢村で開催されました。
とりわけ、元地域おこし協力隊の方の意見発表は、記憶に残るものでした。少子高齢化、後継者不足、過疎、豪雪などの東北地方ではありがちなマイナスイメージも、視点を変えればプラスになるとの話です。
横浜出身の彼は、趣味のボディビルで県チャンピオンとのことでした。降雪が多い戸沢村での雪かきはトレーニングにもってこいということで、除雪とトレーニングの一石二鳥になっているそうです。また、田植え前の保温折衷苗代の手伝いや草刈り機での刈り払い作業などの応援も自身のトレーニングの為と思えば彼にとっては全てが楽しくてしかたないそうです。
雪かき、トンネルでの育苗、草刈りなどはつい体力的な大変さが先にきて、愚痴が出ることが多いのですが、これほどまでにプラスにとらえている方のお話は初めてでした。そして、苦しい減量も含め大会が終われば、おいしい新米や自然の恵みをお腹いっぱい食べられ、地域のつながりを感じられるこの地の生活は最高に幸せとも話していました。
さまざまな仕事を体験し、海外経験も豊富な40代の彼が、地方に移住し家庭を持ち住み続ける真の豊かさが、まだまだたくさんあると思っています。
「何もない、人がいない、大変だ」のマイナス思考から、プラスに視点を変えれば見えてくる豊かな地域資源がここには数多くあります。わが町の財産として情報発信と地域循環できる仕組みを、町民みんなで作り上げていきましょう。
庄内町長 富樫透
