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■第80回「新タイプの学校」
この春、松川地区の全小中学校を再編し、松陵義務教育学校が誕生しました。
本市初となる義務教育学校は、小中9年間の教育を一貫して行います。同校では、1~4学年、5~7学年、8・9学年の3つのブロックを設けてカリキュラムを構成。特に小中の移行期にあたる5~7学年は、小中それぞれの教員による相互乗り入れ授業を体系的に実施し、中学校になじめず不登校が生じやすい「中一ギャップ」の解消を図ります。
また、松川地区の人・自然・歴史・文化などを探求する「まつかわ学」で郷土愛を育んだり、異学年交流で思いやりの心やあこがれを育むなど、9年の一貫教育ならではの取組を推進します。
ほかにも新しい風を感じます。
和合亮一(わごうりょういち)さん作詞・大友良英(おおともよしひで)さん作曲の新校歌は、松川らしい情景が浮かぶ校歌というより楽曲で、歌い手がパートに分かれてハーモニーを奏でます。校章は、頭文字のアルファベット「S」を使って白鳥が羽ばたくイメージを表現し、松川の4地区の特色をカラフルに表す斬新なデザインです。これらの仕掛けが、愛郷心を高め、児童生徒の団結力を強める気がします。
同校がモデルとなって、「地域とともにある学校づくり」が市内全体に広がっていくことを期待します。一方、昨年開校した県内唯一の公立夜間中学天神スクール。2年目の春、市内外から10名の新入生が入学しました。外国にルーツのある方が全校生の三分の一程度に増え、多様な学び直しのニーズに対応する性格がより鮮明になってきました。
天神スクールのロゴもカラフルさで多様性を表現し、デザイン性が豊かです。
新タイプの学校としては、ほかに不登校の子どもたちが登校しやすいように配慮した「学びの多様化学校」があり、本市でも、それを選択肢の一つとして不登校対策の充実を検討中です。
教育ニーズの変化に伴い、学校の在り方が変わり、そのシンボルとなる校章や校歌などの表現方法も変わってきています。本市でも、教育ニーズに応じ、新たなタイプの学校の導入に努めるとともに、児童生徒に響く教育の質の充実やシンボルの設定を行って、地域への愛着をもって次代を担う人材を育成していきたいと思います。

福島市長 木幡 浩(こはたひろし)