- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県会津若松市
- 広報紙名 : あいづわかまつ市政だより 令和7年4月号
会津図書館では貴重な所蔵資料をデジタル化して公開しています。その中から懐かしい風景などを紹介します。
■今回、紹介するのは「日新館」
日新館は常時1000人ほどの会津藩の上級藩士の子弟が通っていた藩校です。10歳前後で入学し、素読や礼式、書などの学問や、武道・兵学などを学んでいました。日新館の名前は中国古典「大学」の一節「日々新又日新(ひびにあらたにまたひにあらたなり)」が由来となっています。1799(寛政11)年4月から建設が始まり、1803(享和3)年には孔子と顔子(がんし)を祀(まつ)る大成殿(たいせいでん)(泮宮(はんきゅう)、聖堂)が完成するなど、全ての建物が落成するまで5年の歳月がかかりました。
鶴ケ城西側(現在の米代一丁目)の約7200坪の広大な敷地には素読所や書学寮などが入る東西の塾、武道の稽古を行う道場、水練水馬池(プール)、砲術の稽古場のほか、敷地の北側の隅には暦を作るための天文台(観台)も備えられました。天文台の現存部分は当時の半分ほどですが、市の指定文化財として保存されています。
この絵図は会津藩士渋谷源蔵の「会津藩校誌」に付属された図で、西側にあたる左端に1857(安政4)年に設けられた蘭学所があるため、幕末の様子が描かれていることが分かります。
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