くらし [特集]未来へつなぐ、新しい市役所~暮らしを支えるデジタル改革の全貌~

■~はじめに~令和7年5月、新しい市民サービスの幕開け
令和7年5月7日、会津若松市役所の新庁舎が開庁しました。歴史的価値を保存しつつ、最先端のデジタル技術を融合させた「未来型行政拠点」です。
市が令和4年度から進めてきた「会津若松市庁内dXアクションプラン」では、この新庁舎の開庁を大きな契機ととらえ、ICTを活用し、市民の皆さんの利便性を向上させるとともに、職員の業務を効率化し、より質の高いサービスを提供することを目指して取り組んできました。
本特集では、プランに掲げる5つの改革の視点に沿って、新しい市役所がどのように変わり、市民の皆さんの暮らしにどのような価値をもたらすのか、その全貌を紹介します。

■市民の皆さんの「時間」と「手間」を大切に 5つの改革が実現した新しい窓口
◆行かない窓口
24時間365日、自宅からでも手続きが可能に。
「行かない窓口」は、皆さんの自宅のパソコンやスマートフォンから、市役所の手続きを利用できるサービスです。これにより、24時間365日、いつでもどこでも手続きが可能になりました。

▽主なオンライン手続き
・市外への引っ越しの転出届
・粗大ごみの収集申し込み
・水道の使用開始・中止申し込みなど

◆書かない・迷わない窓口
手書きの手間から解放、もう迷わない。
市役所に来庁された際の手続きも、大きく変わりました。申請書へ記入する手間をなくし、誰もが安心して手続きを進められる環境を整えています。

▽人に寄り添う「ゆびナビぷらす」
職員が専用端末を使い、対話しながら申請を代行する「ゆびナビぷらす」サービスを提供しています。利用者は内容を確認し、サインするだけで手続きが完了します。
引っ越し手続きでは、新庁舎に移転後、8割以上の人が「ゆびナビぷらす」を利用しており、高齢者や文字を書くことが難しい人などから、「本当に助かる」との声を多くいただいています。

▽驚くほど簡単に証明書を取得できる「タッチパネル」
住民票などを取得する際、マイナンバーカードがあれば、タッチパネル式の端末を使って、手書きなしで簡単に手続きが完了します。なお、市内のコンビニエンスストアなどでも、住民票の写しや印鑑登録証明書、戸籍事項証明書などの発行ができますので、ぜひご利用ください。

▽AI(*1)総合案内でお出迎え「AIさくらさん」
本庁舎1階では、アバター(*2)接客「AIさくらさん」が皆さんをお迎えします。手続きや窓口の場所などに関する質問に、AIが自然な言葉で回答します。5か国語に対応し、外国出身者も安心してご利用いただけます。
*1:人工知能
*2:仮想空間での分身

◆電話対応「AIさくらさん」
6月から試験運用を開始しており、24時間365日、AIがマイナンバーカードや国民健康保険などの手続きに関する質問に答えてくれます。AIによる電話対応の品質向上のため、アンケートにご協力ください。

▽ご注意ください
・市役所の代表電話を通じて担当部署へおつなぎする場合があります
・業務時間外の場合は、後日、担当部署から電話する場合があります
・スピーカーでの通話や周囲の雑音が多い場合などは、会話の内容を認識しにくくなります
専用電話番号
※通話料がかかります
【電話】050-1808-4555

◆待たない窓口
都合の良い時間に、待ち時間なく。
窓口での待ち時間を解消するため、パソコンやスマートフォンから来庁日時を事前に予約できる「来庁予約サービス」を提供しています。自身の都合の良い日時を予約すれば、その時間で優先的に呼び出すため、待ち時間を最小限に抑えられます。

▽「来庁予約システム」が利用できる窓口
・税務課
・市民課
・こども保育課
・高齢福祉課
・健康増進課など

◆現金の要らない窓口
スマートなお支払いを窓口でも。
市民課や税務課などの窓口で、各種証明書交付手数料を支払う際に、デジタル地域通貨「会津コイン」をはじめとしたキャッシュレス決済(コード決済、電子マネー、クレジットカード)を利用することができます。
また、10月8日(水)から、すべての支所・市民センターの窓口でも、各種証明書交付手数料の支払いに、キャッシュレス決済が利用できるようになります。
特に、「会津コイン」は、お金とデータの地域内循環を目指しており、妊婦支援給付金の受け取りや、会津コイン還元事業などお得な制度も充実し、会津地域の580以上の店舗で利用できるほか、クーポンも提供していますので、ぜひご利用ください。

◆庁内業務効率化
より良いサービスのために、その裏側も進化。
市民の皆さんから見えるサービスの裏側で、市役所の仕事の進め方も大きく変革しています。デジタル技術を活用し、迅速で正確な行政運営を目指す取り組みです。

▽業務プロセスのデジタル化
11月に、住民記録や税、国民健康保険などの事務処理を行っている各基幹業務システムを更新し、国の安全なクラウドサービス「ガバメントクラウド(*)」へ移行することで、コスト削減とセキュリティ強化を図ります。また、文書や会議資料の電子化、ペーパーレス化も拡充していきます。
*ガバメントクラウド:政府が管理するインターネット経由のコンピュータ利用環境

■産学官連携で推進するスマートシティ 地域の力で、地域の課題を解決する
市では、市役所に留(とど)まらず、地域全体でデジタルを活用した変革の取り組みが進められています。その核となるのが、会津大学とICTオフィス「スマートシティAiCT(アイクト)(以下、『AiCT』)」です。
会津大学は1993(平成5)年に、日本初のコンピュータ理工学の専門大学として開学し、優秀なデジタル人材を育成・輩出しています。この人材が地域で活躍し続けることなども目指して整備されたのがAiCTであり、ここを拠点に、首都圏からの進出企業と地元企業が連携しながら、地域課題の解決に向けたさまざまな取り組みが進められています。
例えば、市の介護事業所とAiCTに入居する企業が連携してサービス化された「ケアエール」というアプリは、デジタルを活用することで介護の質を向上させただけでなく、介護従事者の業務負担軽減にもつながり、全国的なサービスとして広がっています。

■人にやさしいデジタル化を目指して
市は、デジタル化の推進と同時に「デジタルデバイド(情報格差)」の解消を最重要課題と捉え、「人にやさしいデジタル化」を目指して取り組んでいます。

▽デジタルとアナログの共存
デジタル化を推進しつつも、操作に不安を感じる人には、これまで通り対面の窓口サービスを継続し、丁寧にサポートしていきます。

▽利用者へのサポート体制
高齢者などを対象としたスマートフォン教室を市内各所で開催しているほか、AiCTでは「AiCTデジタルなんでも相談所」を設置し、デジタルに関する相談に対応しています。また、職員が寄り添って操作する「ゆびナビぷらす」のように、「人にやさしい」視点を大切にしています。

■~おわりに~これからも市民の皆さんと共に
新庁舎の開庁はゴールではなく、新たなスタートラインです。市のデジタル化やスマートシティの取り組みは、社会の変化や皆さんのニーズに応じて進化を続け、市民1人ひとりが「このまちに暮らし続けたい」と思える地域社会を目指します。

問合せ:情報戦略課
【電話】39-1214