文化 しらかわの身近な文化財 第二十九話 白河のまち

本連載では、道ばたやお寺、あるいは家の中など、さまざまな場所で見かけることがある文化財を紹介してきました。
今回は、それらを生み出した白河のまち自体を振り返ってみたいと思います。
白河藩の城下町であった現在の中心市街地を通る旧国道294号は、かつての奥州街道(おうしゅうかいどう)にあたり、そのルートはほぼ江戸時代のままを保っています。小峰城を囲むような道筋や、防御を意識したかぎ型の屈曲には、当時の藩主によるまちづくりの思想が反映されています。また、通り沿いの町割りや町名も、ほとんどが江戸時代のままです。
このようなことから、白河の中心市街地は江戸時代の古地図を手に散策できるまちといわれます。
白河は冬になると風が強く吹き付けることもあり、大火が多かったようで、古い建造物の多くは焼失しています。それでもなお、江戸時代から近代にかけての店舗や土蔵、お堂などの歴史的建造物が点在し、かつての風情を感じることができます。
また、表郷地域は棚倉街道、東地域は釜子陣屋を中心とした水戸街道、大信地域は会津街道の沿線に発展したまちです。それぞれの地域にも歴史があり、それを反映したまちなみを今に残しています。
このように、さまざまな文化財を生み出した白河のまち自体も歴史の証拠であり、広い意味での文化財といえます。まちを歩けば、先人たちがこれまで積み重ねてきたまちづくりの足跡を感じることができるでしょう。

問合せ:文化財課
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