- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県伊達市
- 広報紙名 : だて市政だより 2025年11月号
■伊達を貫く鶏
生産者、支援者、料理人、インフルエンサー…。たくさんの人の努力と強い思いにより、伊達市の誇る伊達鶏があります。逃れようのない苦しみをも乗り越え、40年目を迎える伊達鶏は、これから先も更なる成長を続けます。
伊達の名を冠し伊達を貫く鶏。その実態は伊達じゃありません。
◆伊達鶏の魅力を引き出す お二人のプロにインタビュー
【「焼鳥 鳥よし」 代表 猪股 善人(いのまたよしと)さん】
高級焼き鳥店「鳥長」をはじめとした数々の有名焼き鳥店で修業を積む。その後、約14年間フランス・パリにて、焼き鳥店に勤務し、フランスに日本の焼き鳥(YAKITORI)を広めた。1995年には東京・中目黒に「鳥よし」を開店。後に東京焼鳥御三家の一つと称される。常に素材を吟味し、幅広い層から愛される焼き鳥を焼き続けている「焼き鳥界では知らない者がいない名人」。
◇どうして伊達鶏を?
フランスからの帰国後、フランスの高級食用鶏「ブレス鶏」の様な良い鶏を探していて、いろんな人と話しました。そこで教えてもらって出会えたのが伊達鶏です。非常に味深く、塩で食べても、タレで食べても品が良い鶏。これは伊達鶏が飼育されている環境によるものが大きいと思います。良い“水”と良い“飼料”、ストレスのない環境でのびのび育っているからこそ、鶏が健康でいられる。鶏の体調は味として出てくるんですよ。この伊達の土地で生産されていることが、伊達鶏のおいしさに影響しているんですね。
◇伊達鶏の生産者への思い
全国数ある鶏の中で、伊達鶏は飛び抜けていると思いますよ。それは生産者さんが「おいしい鶏をつくろう」と努力されているからこそだと思います。ただ、ここで満足すれば成長が止まります。これからも、より良い伊達鶏を追い続けていただきたいです。
◇あなたにとって“伊達鶏”とは?
人生そのものです。伊達鶏と出会えたおかげで、たくさんの人と出会えた。自分だけじゃなく、そんな皆さんの力があったから、今こうして仕事ができる。感謝の気持ちでいっぱいですね。
【グルメプレゼンター はっしー(橋本 陽(はしもとあきら))さん】
「お肉博士」や「お米ソムリエ」の資格を有し、全国15,000軒以上の飲食店を自腹で訪問するグルメプレゼンター。農林水産省の国産食材アンバサダーや総務省の地域力創造アドバイザー、横浜中華街で史上初のグルメ大使、NEXCO 東日本のグルメアンバサダーも務める。主な出演番組は「『ラヴィット!(TBSテレビ)』の本気肉調査隊コーナー」など。
◇伊達鶏の良さは?
しっとりとしていて柔らかく、艶つややかで甘い肉汁が、いくらでも食べたくなるくらい飽きが来ないおいしさになっているところですね。焼き鳥はもちろんのこと、唐揚げなどいろいろな料理に向いていると思います。
今東京では再び焼き鳥ブームが来ているんですが、東京の焼き鳥店では伊達鶏がすごく有名なんですよ。その立役者こそが、焼き鳥界の神様と言える「鳥よしの猪股さん」なんですよね。
◇伊達鶏の生産者への思い
全国のいろんな良いお店で伊達鶏を使用していて、そのポテンシャルを生かした料理で何度も感動させられてきました。日本が誇る鶏肉のひとつだと思います。それから、ふくしま三大鶏として異なる生産者同士が手を取り合うなんて全国的にレアなケースだと思います。ぜひ、これからも高め合っていただきたいですね。
◇あなたが思う“伊達鶏”とは?
今の焼き鳥業界を支える、縁の下の力持ちですね。東京の焼き鳥は進化しました。バリエーションが増えましたし、高級焼き鳥店も増えました。伊達鶏があったからこそ、今また焼き鳥ブームが起こっているなと思いますね。
◆伊達鶏生産のフロントランナー 伊達物産株式会社 清水建志社長にインタビュー
【伊達物産株式会社代表取締役社長 清水 建志(しみずたけし)さん】
2014年に社長に就任し、伊達鶏の飼育・製造・販売を手がけている。伊達鶏を通じて、福島県や伊達市の魅力を全国に発信するべく、日々取り組みを続けている。
◇改善すべものとは?
これまで何を目指してきたのかをもう一度立ち帰る必要がありますね。単に生産数を増やすのではなく、職人さんに、食べる人に、そして地域に、“伊達鶏らしさ”を残したままでどう役立てるかを考えていきたいです。育てる環境の全てが、伊達鶏のおいしさに大きく影響します。更なる環境づくりを含めて、伊達鶏を成長させていきたいですね。
◇共に歩む人への思い
伊達鶏の生産は多くの生産者の努力によって成り立っています。生産者の誰一人が欠けても、伊達鶏にはなりません。今後は、生産者がより一体となって共に作り上げていきたいと思います。
◇あなたにとって “伊達鶏”とは?
ふるさとです。私が生まれ育ったこの環境あっての伊達鶏ですからね。土地・水・飼料・生産者の人柄…。伊達鶏を取り巻くこのふるさとの環境が変わってしまえば、伊達鶏も自然と変わっていってしまうんです。そういった点では、ふるさとを守ることこそが、伊達鶏を守ることに繋がるのかもしれませんね。
■伊達鶏誕生40周年を飾る 史上最高のふくしま三大鶏フェス! in 伊達市
※詳しくは広報紙P.10~11をご覧ください。
