くらし 楢葉町原子力施設監視委員会出前講座「原子力、いろはの『い』から。」ダイジェスト

10月26日、みんなの交流館ならはCANvasで、福島第一原発の廃炉作業、第二原発の廃止措置など福島第1・第2原子力発電所の今とこれからについて、原子力のエキスパート集団楢葉町原子力施設監視委員会と町民の皆さんによる座談会が行われました。活発な意見交換が行われましたが、その一部をご紹介します。

Q.福島第一原発の廃炉作業が終わるのは、これから何年ぐらいかかりますか?
A.廃炉作業は30~40年後の終了を目途にして、その工程が示された中長期ロードマップに沿って行われています。しかし、初めて実施する作業が多く、一部作業工程の見込み時期が5年先、10年先とずれ込んでいます。現在、汚染水問題はようやく解消されつつあり、ALPS処理水の海洋放出も順調に進み、汚染水貯蔵用のタンクも少なくなってきています。使用済燃料の取出しについては、装置等のトラブルが若干あったにしても順調に進んでおり、燃料デブリの取り出しについては2号機から調査のための微少量サンプルの取り出しが2回行われ、組成等が分析されています。3号機はデブリの取出し方法を検討している状況にあり、1号機は、ガレキを整理してから次の段階へ取り掛かろうとしています。1、2、3号機それぞれに作業の進捗が異なり、状況に応じた作業が行われています。

Q.廃棄物の処理の状況は?
A.放射性廃棄物は、施設内において、減容化(切断したり、焼却したり)して、専用の容器に入れ、その処分先が決まるまで保管する予定です。安全な状態で保管するよう、委員会として注視していきます。

Q.作業中の事故などもあるようですが?
A.関係作業は、廃炉に係る中長期ロードマップに沿って、年度毎の進捗状況を考慮しながら、具体的な計画を立案し、それに従い、安全第一で作業が進められています。しかしながら、様々な要因で、トラブルやケガ人が発生しています。
私たち委員会では、その発生要因などを確認し、安全管理の面からも注視しています。

Q.福島第二原発の廃止措置の進捗はどうなっているのか?
A.まだ始まったばかりで、廃止措置全工事期間の第1段階ですが、具体的には、廃止措置の進め方について規制委員会から認可を得たところです。現場の作業としては、1~4号機について、運転中に発生した放射線(中性子)が、原子炉の構造体であるコンクリート等に影響を及ぼした範囲を調べることで放射性廃棄物の詳細な発生量を評価しています。また、使用済燃料を原子炉建屋の中の使用済燃料プールから乾式キャスクにて一時保管するための準備も進めています。

Q.我々は広域避難するような原子力災害に遭いたくはありません。使用済燃料が原子力災害を引き起こすリスクであるとすると、第一原発も第二原発も同じリスクを抱えていると考えてよいでしょうか。
A.第一原発では原子炉建屋内にある使用済燃料プールから共用プールへ移動し、乾式キャスクに入れ替え、安全に保管する作業を進めています。第二原発でも使用済燃料を使用燃料プールから乾式キャスクに入れ替え安全に敷地内で保管する予定です。
その入れ替えが終わるまでの期間に、使用済燃料プールの水が抜けてしまうような不測の事態に備え注水を行うバックアップ体制(給水をするための消防車、非常用電源車などの整備)についても確認しています。3.11以降は、潜在的なリスクに関する関係者の意識が変わり、対応能力が向上しており、使用済燃料のリスクの危険度は下がってきていると考えられます。

Q.監視委員会では、廃炉工程の中でフォーカスを当てている部分はありますか?
A.年3回の委員会を行っており、基本的に、1回目の会議では東電から廃炉工程の状況をくわしく聞き取り、2回目には第二原発、3回目には第一原発の中で視察が必要な箇所を決定しています。ALPS処理水の海洋放出、廃棄物など、ケースバイケースで年度ごとにフォーカスする部分は変わっています。