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- 自治体名 : 福島県楢葉町
- 広報紙名 : 広報ならは 第663号 令和7年4月号
福島県の指定天然記念物「塩貝の大カヤ」をご紹介します!
4月を迎え、町内では木々が春の花を咲かせ始め、山々は春の装いへと姿を変えていこうとしています。
楢葉町の山地は温帯林であり、低地丘陵は暖帯林に区分され、中間温帯林がその間に存在する地域であります。そのため、北方系、南方系植物の移行地帯としての性格をもっており、暖帯林中に育つカヤ、比較的暖かい地方で多く栽培されるユズも育つ環境にあります。
さて、町では、天然記念物として塩貝の大カヤ、広徳院の大イチョウ、大滝神社のじいスギ・ばあスギ、清隆寺のシダレザクラの4種類の植物を指定しており、その中でも塩貝の大カヤは平成18年に福島県の天然記念物として指定されました。県指定の天然記念物となっているカヤの巨樹は4本あり、うち中通り(桑折町、矢吹町、白河市)が3カ所と多く、浜通りでは楢葉町のみとなっております。
塩貝の大カヤは、イチイ科カヤ属の雌木であり、樹齢千年(推定)、樹高は25m、幹回りは8.3mであり、1本の幹から四方に太く大きな枝を伸ばした威容は堂々たるものです。
戦後まで、同様のカヤの大樹が同間隔に3本並んでおり、その後2本は建築材として伐採され、現在は1本のみとなったとのこと。
カヤは人の生活と密接な関係があり、カヤの実は縄文時代から食料として用いられております。現在の食べ方としては炒って食用としたり、榧飴(かやあめ)などの菓子としても食べられており、油分が多いため食油にもされています。また、用材として建築材、将棋盤・碁盤の材料として用いられ、枝や葉は燻して蚊やりに使われるなど、非常に有用な樹木とも言えます。
町内ではもちろんのこと、県内でも貴重な緑の文化財「塩貝の大カヤ」の見学にぜひ足をお運びください。
所在地:楢葉町大字上繁岡字塩貝25
県道いわき浪江線を北上し、上繁岡の大堤から約600mの道沿いの専用駐車場から徒歩1~2分です。
お問い合わせ先:生涯まなび課
【電話】0240-25-2492