くらし コラム・夏祭り

■未来へつなぐ ふたばの夏祭り
夏祭りの季節がやってきます。町の祭りは、世代を超えて過去と未来をつなぐ文化の架け橋であり、町の復興を象徴する場でもあります。懐かしいお囃子の音色が、町の歴史と将来を軽やかに奏でます。

人類の歴史は常に「火」と共にあります。
火を扱う知恵を得たことで、生存、進化し、文明を発展させてきました。そのため世界各地に火を聖なるものとして崇める信仰が多く存在します。
日本においても古くから広い地域で「火」が重要な役割を果たす祭礼が行われてきました。お盆の送り火や迎え火は死後の世界から帰ってくる先祖の霊を迎え入れ、再び送り出す行事です。
双葉町でも8月のお盆の時期は町内各地区で夏祭りが行われていました。町内の鴻草地区で行われていた「源弱山の火明かし」は一説によると南北朝時代に戦いで亡くなった方を弔うために行われるようになったと言われており、毎年8月13日に消防団が主体となって行っていました。
源弱山の中腹にたいまつを設置し、夜6時ごろ点火します。たいまつが明々と燃え上がり、「山」の字を逆さにした炎が夜闇に浮かび上がります。
この光景は鴻草地区に限らず、近隣の地区からもはっきりと見えたそうです。
地域の伝統として大切に受け継がれてきたお盆の風景。また見られる夏が来ることを心から願っています。