くらし 特集 より良い環境を、未来へ(1)

近年、私たちは、地球温暖化や海洋プラスチックによる生態系への影響など、地球規模での環境問題に直面しています。
このような問題に対応するため、脱炭素社会の実現を見据えた循環型社会の形成が求められています。
市では、より良い環境を未来のこどもたちに残すために、市民の皆さんや事業者とともに、ごみの減量、再資源化を積極的に取組んできました。
ここでは、市のごみ・資源物の処理の現状を紹介します。

■清掃工場「えこみっと」稼働
市では、令和2年度から、清掃工場「えこみっと」を稼働しました。
それに合わせて、資源物とごみを5種16分別に細分化。新たに、ペットボトルやプラスチック製容器包装などの収集を開始しました。

■水戸市のリサイクル
ペットボトル、白色トレイ、プラスチック製容器包装の集積所での分別収集が開始されたことや、分別方法が浸透し、市民の皆さんの分別への意識が高まったことで、家庭系の資源物排出量が増加に転じました。

水戸市の家庭系の資源物排出量の推移

■水戸市のごみの量
令和5年度のごみ総排出量は、約9万7000トン。1人1日当たりに換算すると、985グラムとなっています。近年は減少傾向にあるものの、全国平均(851グラム)に比べて依然として多い状況にあります。

水戸市のごみ総排出量と1人1日当たりのごみ排出量の推移

■更なる減量とリサイクルを
環境負荷の少ない循環型社会を形成するために、更なるごみの減量とリサイクルが必要な状況です。市は、令和6年度に「水戸市ごみ処理基本計画(第4次)」を策定し、令和15年度までの1人1日当たりのごみ排出量の目標を定めました。目標は、820グラム以下。達成するためには、1人1日当たり約165グラムの減量が必要です。

■できるだけごみを出さないために—
私は、普段から買ったものを大切にし、無駄を減らすことを心がけています。
大好きな料理をするときは、大根などの根菜も、しっぽまでしっかり使い切るなどして、食品ロスを減らすようにしていますね。
それでも、野菜の皮や卵の殻など、どうしても使わないものが出てきてしまいます。そんなときに役立つのがコンポスト容器。発酵促進剤と一緒に生ごみを入れておくと、栄養のあるたい肥に変わります。私の家では4台も設置して、できたたい肥をガーデニングに使っていますよ。
このほかにも、捨てる前には「まだ何か使えないか」と考え、買い物した時の包装紙や容器もできるだけ取っておいて、お裾分けをする際に使ったり、着なくなった服を使って、手提げかばんやクッションカバーなどを作ったりしています。
基本的なことを積み重ねて、できるだけごみを出さないために工夫しています。
石川 都美江 さん

■生ごみ処理機器の購入には補助制度があります
コンポスト容器や電気式生ごみ処理機など、生ごみ処理機器を購入した方に、予算の範囲内で補助金を交付しています。

■5月30日は「ごみゼロの日」
資源循環と環境美化の意識向上を図るため、ごみの減量、ポイ捨て禁止などの啓発キャンペーンを行います。みんなで協力して、ごみの少ない美しいまちを目指しましょう。
時間:
(1)7:45~8:30 
(2)15:00~16:00
場所:
(1)水戸駅南口・北口ペデストリアンデッキ 
(2)ロゼオ水戸店

■カメらくんとみてみよう!
◇わたしたちのごみのゆくえ
私たちが出した燃えるごみは、どのように処理されているのでしょうか。
カメらくんと一緒に、ごみのゆくえを追ってみましょう!

・午前8時過ぎから燃えるごみの収集が始まります。
ごみ・資源物は午前8時までに集積所に出してね!

・市内のごみ集積所は全部で約14,000か所。1日にその半分の約7,000か所を、56台のごみ収集車が手分けして回っています。1台で、1日平均100km走っているので、全体で1日に約5,600km走っていることになります。これは、1年でおよそ地球30周分も走っている計算です。※
※(燃えるごみ収集車の1日の走行距離)×(2025年の燃えるごみの収集日数)÷(地球1周分の距離)=5,600km/日×214日÷40,000km/周=29.96周

・燃えるごみは、1日で約300トン以上収集します。
収集された後、ごみピットにまとめられます。
ごみピットは、全部で最大3,300トン収容できます。

・低温でごみを燃やすと有毒ガスが発生します。その発生を防ぐために、850℃以上の高温で燃やします。24時間燃やし続け、1日に最大330トンのごみを焼却します。

・どれくらいの温度で燃えているかなどは、中央制御室で24時間監視しています。

・燃やした後に残る灰は、保管された後、道路の路盤材などに加工して再資源化するために、搬出されます。

◇では、資源物は、どのように処理されているのでしょうか。
・資源物は、種類ごとに分けられ、まとめられます。その際、異物などがあるときは手作業で取り除きます。

・異物を取り除いた後は、コンパクトに圧縮され、ストックヤードに保管された後、再資源化するために搬出されます。

清掃事務所・清掃工場「えこみっと」では、市職員、収集・運搬委託業者など、およそ200人が、ごみ処理のために働いています。

◇工場見学を受付けています
時間:
午前の部…9:30から
午後の部…13:30から
※所要時間は1時間30分~2時間程度

申込・問合せ:事前に、電話で、水戸環境テクノロジーへ
【電話】350-4431
※土・日曜日、祝日を除く。

※詳細は本紙またはPDF版をご覧下さい。

問合せ
ごみ減量課【電話】232-9114
清掃工場【電話】297-6760