くらし 令和7年度市長施政方針(1)

「下妻に住んでよかった」を実現するために
下妻市長 菊池 博

■令和6年度を振り返って
昨年は、6月に市制施行70周年の節目を迎え、気持ちも新たに持続可能なまちづくりのため、新たな一歩を踏み出した年であり、コロナ後の社会構造の変化に伴い、人々の生活スタイルも多様化したことから、市民が求めるニーズを的確に把握し、さらに質の高いサービス提供に努めていかなければならないと思いを新たにする一年でもありました。
そうした新たな市民ニーズに応えるべく、子育て支援体制の拡充、教育環境の充実、防災・減災対策の強化、農業の振興、地域経済の活性化など、多岐にわたる取り組みを展開してまいりました。
さて、令和7年度の国の予算編成における基本方針に目を向けますと、足元の物価高、賃金や調達価格の上昇に対応しつつ、デフレを脱却し、新たなステージとなる「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を実現することを目指して、物価上昇を上回る賃金上昇の普及・定着、地方創生2.0の起動、官民連携による投資の拡大、防災・減災および国土強靱化、充実した少子化・こども政策の着実な実施など、重要政策課題に必要な予算措置を講ずるとしております。
市政運営においても、こうした国の動向を踏まえ、特に本市における重要施策として「こども・子育て支援、教育施策」および「防災・減災対策」には、ふるさと納税で得た財源を有効に活用しつつ、今後も積極的に取り組んでまいります。
さらには、長引く物価高への対策や官民連携の各種取組の強化、自治体DXの推進にも積極的かつ柔軟に対応し、本市が目指す将来都市像の実現に向けて、さまざまな事務事業を「選択と集中」「スピード感」をもって展開してまいります。

令和7年度における各分野ごとの市政運営の主要な具体的事項についてご説明いたします。

1 誰もが健やかに暮らせる「安心なまち」
子育て環境や保健・医療の充実、地域共生・社会福祉の推進を図ってまいります。
こども・子育て支援としては、保育料軽減事業を継続するとともに、安心な妊娠・出産と妊産婦および乳児の健康状態や発育・発達を確認する妊産婦・乳児健康診査事業において、生後1か月児および5歳児健診を追加いたします。
保健・医療の充実では、帯状疱疹の発症または重症化防止を目的として、65歳の方などを対象にワクチン接種費用の一部を助成する帯状疱疹ワクチン接種事業と聴力の低下により、日常生活に支障のある高齢者に対し、社会参加の促進や認知症予防に資するため、補聴器購入費用の一部を助成する高齢者補聴器購入費助成事業を新設し、高齢者の健康や暮らしやすい環境を整えてまいります。
2 人と文化を育む「心豊かなまち」
教育環境の充実、生涯学習・文化・スポーツの推進に努めてまいります。
教育環境の充実では、新たに中学校給食費の無償化を実施いたします。財源としてふるさと納税による基金を活用するもので、今後もこども・子育て支援ならびに教育環境の充実には重点を置き、子育てしやすいまちづくりを進めてまいります。
また、スポーツの推進では、近年の異常気象がもたらす暑さの中で行われるスポーツ競技への影響が心配されることから、厳しい暑さから子どもたちを守るため、スポーツ少年団を対象として暑熱対策費用に補助を開始いたします。
3 にぎわいと活気を生み出す「活力あるまち」農業の振興、地域経済の活性化と観光の振興に努めてまいります。
本市は茨城県内でも有数の米どころであり、ミルキークイーンの発祥の地でもあります。ミルキークイーンは、ふるさと納税返礼品としても根強い人気を誇っており、本市の全国認知度の向上にも一役買っている特産品の一つでもあります。このミルキークイーンについて、下妻ブランドの強化を図るため、市特産米栽培推進事業を新設し、資材費などの一部を支援することで作付面積の拡大および生産量の増加を図ってまいります。
さらに、地域経済の活性化という観点から、誘致した企業への働き手の確保や転勤者等の移住・定住を促進し、人口減少に歯止めをかけていかなくてはならないと考えています。働き手の確保には、市内立地企業と協働して合同企業説明会や企業見学バスツアーを実施しているところですが、令和7年度からは東京圏に進学した学生のUターン就職を推進するため、茨城県内に就職し、本市に移住する見込みのある学生を対象に、就職活動に要した交通費用の補助を行う地方就職学生支援事業をスタートいたします。今後は本市への引っ越し費用など移住に伴う経済的負担を軽減することにより、市内企業への就業等をさらに促進できるよう、移住につなげる施策の拡充にも取り組んでまいります。